柔道の世界選手権は20日、アゼルバイジャンのバクーで開幕した。第1日は男女各1階級が行われ、男子60キロ級で高藤直寿(パーク24)が
2年連続3度目の優勝を果たした。準決勝では世界ランキング1位の永山竜樹(東海大)に延長戦で優勢勝ちし、ロベルト・ムシビドバゼ(ロシア)との
決勝も優勢勝ちした。永山は3位決定戦を制し銅メダル。
女子48キロ級では昨年優勝した渡名喜風南(パーク24)が連覇を逃した。準決勝でウランツェツェグ・ムンフバト(モンゴル)を破ったが、決勝では
ダリア・ビロディド(ウクライナ)に一本負けした。
大会には125カ国・地域から758選手が出場。日本勢は個人戦の男女各7階級すべてにエントリーし、最終日の27日は混合団体に臨む。

高藤が60キロ級連覇=女子の渡名喜は銀−世界柔道
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018092001170

昨年2度目の世界一になってからも気を緩めず、高藤は勝利を重ねてきた。2020年東京五輪に向けてのテーマは、不調でも少々のミスがあっても勝ち切る
「絶対王者」になること。理想の姿へ、また一歩近づいた。
 永山との準決勝。序盤に担ぎ技で投げられそうになったが、巧みな身のこなしでポイントを防いだ。その後も押され気味だったが、延長で一瞬の隙を突き、
小内刈りで技ありを奪って退けた。決勝はムシビドバゼに危なげなく優勢勝ちし、王座を守った。
 昨年12月のグランドスラム東京大会で世界王者として優勝し、早々に代表を決定。しかし、東京大会は直前の3日ほどで4〜5キロを落とす厳しい減量で体に
ダメージが残り、決勝で手足がつるアクシデントに遭った。
冷や汗をかいた経験を戒めに、今年は食生活を改善。試合直前でなくても栄養士が考えた食事を取り続け、スムーズに減量できる体質に変えてきた。
「ベストコンディションだと思う」と言って臨んだ本番。仕上がりに確固たる自信があった。
今年は4月に体重無差別で争う全日本選手権に出場。新たな経験を加え、円熟味を増した25歳。堂々の連覇を果たし「大人の柔道ができた」と胸を張る。
母校東海大の後輩でもある永山を下して「先輩の意地。60キロ級は僕一人で大丈夫だと改めて見せつけられた」。2年後へさらに加速した。

高藤、絶対王者の道へ=手応え通りの連覇−世界柔道
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018092001387

初出場の前回、頂点に立った渡名喜は無我夢中だった。1年後の今回は「安定した戦いを見せたい」。準決勝までは風格を示す戦いぶりだったが、連覇には届かなかった。
 決勝で今年2連敗していたビロディドと対戦。長身の相手に組み手で後手に回っていた反省を踏まえ、大舞台に向けて対策は練ってきた。それでも序盤から動きを止められ、
技を出せない。2分7秒、大内刈りで一本を奪われた。「2回負けていたのに、悔しい」。涙が止まらなかった。
かつて谷亮子が王者として君臨し、福見友子や浅見八瑠奈も世界選手権を制した女子48キロ級。前回はリオデジャネイロ五輪銅メダルの近藤亜美(三井住友海上)も
代表入りしたが、今回は渡名喜だけが選ばれた。日本女子の増地克之監督は「彼女にとって真価が問われる大会」とみていた。
前年覇者の肩書だけではなく、一人で日本女子の看板階級を背負う重みがあった。「自分だけが出る。何が何でも優勝しないと」と話したこともある。試合直前になって
マイペースを心掛けた。「自分をコントロールして、相手と駆け引きしていきたい」。地力を信じて決勝へたどり着いたが、最後の壁が厚い。今年は厳しい現実を突きつけられた。

連覇へ一歩届かず=渡名喜、苦手に完敗−世界柔道
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018092001220

柔道女子78キロ超級の朝比奈沙羅(パーク24)が20日、初優勝を狙う世界選手権への出発前に羽田空港で取材に応じ「全てをこの舞台で出し切る。優勝以外はゼロという
気持ちで、素早く組んでいきたい」と意気込んだ。
昨年、あと一歩で優勝を逃した悔しさをバネに闘ってきた。全日本女子選手権では素根輝(福岡・南筑高)に敗れるなど苦しい時期もあったが「世界柔道のためにという思いで
乗り切ってきた。1年間の思いをぶつける」と雪辱を誓った。
ともにアジア大会の個人戦を制した素根と玉置桃(三井住友海上)は団体戦に出場。18歳の素根は「アジア以外の強い選手とも戦えるところを見せ、優勝に貢献して
アピールしたい」と力強く語った。

朝比奈沙羅「全てを出し切る」 世界柔道悲願の初優勝へ出発
https://www.sanspo.com/sports/news/20180920/jud18092023200005-n1.html