柔道グランドスラム東京2015は3連覇がかかった大会でしたが、プレッシャーがかかったということはなかったです。むしろ本大会は、毎回挑戦者になったような感じで、気楽に試合ができるんです。

今大会「3連覇」というより、「飛躍」をテーマにして頑張りました。この大会は、自分が飛躍できる大会と言いますか、成長できる場という感じですね。

自分をワンステップ上げてくれる大会なので、毎回初心に戻って臨んでいます。
大会を振り返って

今年のアスタナ世界柔道選手権大会(以下、世界選手権)では3位という結果に終わり、世界女王でなくなったため、自分の中で色々な部分を変えました。ウエイトであったり、体重管理であったり、基本的な部分からしっかりと見直しましたね。

3ヵ月という短い期間だったのですが、初心に返ってメンタル面を含めて調整しました。

挑戦者という立場になったので、「もっと上にいきたい」という思いが強くなって、今大会で試合をすることがすごく楽しみになりました。
試合内容


今大会は全部一本で勝ちたいと思っていました。でも、準決勝では結局一本を取ることができませんでしたね。結構攻めることができたと
思うのですが、一本までとはいかなかったので、そこが反省点です。
決勝は、一本を取りにいくつもりではいましたが、まさか本当に取れるとは思っていなかったので、思い切って取りにいって良かったと
思っています。 今振り返ってみると、やはり準決勝での一本が取れなかったのは、少し悔いが残るところですね。


決勝戦は浅見八瑠奈選手との対戦。オリンピックの代表争いをしている相手ですし、これまでの勝敗が一勝一敗だったので、今回の試合は負けられない
戦いでした。
浅見選手はアスタナ世界選手権で2位と自分より良い成績ということもあり、「挑戦者として勝ちにいこう」と決めていました。 どんなに
リードされても絶対に諦めないつもりでしたね。
試合中はずっと自分の中で「焦るな、焦るな」と考えていました。その一方で、指導じゃなくて一本を取ると決めていたので、思い切って残り
27秒で技を掛けました。
大外刈りから抑え込みの一本が決まった瞬間、色々なことを思い返し、涙が出てきました。昨年の柔道グランドスラム東京で世界女王になって
戦って、楽しいことや嬉しいこともありましたが、それ以上につらいことや厳しいことも多かったので。
今年は一回も優勝できずに負けて、負けて、負けてとずっと悔しさがあったので、一本で勝てて本当に嬉しかったです。

今後の展望

今年は負け続けて、ちょっと「オリンピックの代表争いも無理なのかな」と思ったときもありました。ですが、今回一本で勝ったことで、
スタートラインにもう一回立つことができた気がします。

これからも「自分がオリンピックに出場する」という強い気持ちを持ち続けたいですね。その軸をぶれさせずにいればきっとオリンピックに
出場できると思うので、4月の全日本選抜柔道体重別選手権大会や、その他の国際大会にもしっかりと勝って、オリンピックにつなげて
いきたいと思います。

優勝選手インタビュー 女子48kg級 近藤亜美
http://www.judo-ch.jp/result/gs_tokyo/2015/winner_interview/kondo/


全日本柔道連盟は22日、来夏のリオデジャネイロ五輪代表最終選考会となる全日本選抜体重別選手権(来年4月2、3日・福岡国際センター)の
出場選手を発表し、女子48キロ級で激しい争いを続ける浅見八瑠奈(コマツ)と近藤亜美(三井住友海上)、今年の世界女王でロンドン五輪
57キロ級金メダルの松本薫(ベネシード)らが選ばれた。
男女各7階級で8人ずつが出場し、男子は100キロ級の羽賀龍之介、73キロ級の大野将平(ともに旭化成)、81キロ級の永瀬貴規(筑波大)と
今夏の世界王者が名を連ねた。
男子100キロ超級で世界選手権2年連続2位の七戸龍(九州電力)、全日本王者の原沢久喜(日本中央競馬会)らも出場するが、男女最重量級の
五輪代表は4月下旬の全日本選手権、全日本女子選手権後に決まる。来年2月の欧州遠征の結果も代表選考の材料となる。

リオ最終選考会に浅見、近藤ら 4月開催の選抜体重別選手権/柔道
http://www.sanspo.com/sports/news/20151222/jud15122220020001-n1.html