リオデジャネイロ五輪女子78キロ超級代表として有力視された田知本愛選手(27=ALSOK)は決勝で敗れて落選した。
70キロ級代表に決まっていた妹の田知本遥選手(25=ALSOK)との同時出場の夢は実現しなかった。
田知本愛選手はライバルの山部佳苗選手(25=ミキハウス)との決勝で左膝を痛めて一本負け。担架で運ばれた救護室で
「1パーセントでも望みがあるなら、その報告を待つだけです」と願ったが、かなわなかった。4年前のロンドン五輪も妹だけが出場。
この4年間は互いに励まし合い、あと一歩のところまで来ていたが、最後に悲運が待っていた。
妹は決戦に臨む姉を懸命にサポート。試合後は姉の乗った車いすを押して会場を離れようとした直前に代表漏れの知らせを聞き、
2人とも目に涙を浮かべた。愛選手は「すいません」と言うのが精いっぱいだった。

田知本愛落選で涙、姉妹同時五輪出場ならず 柔道
http://www.nikkansports.com/sports/news/1633365.html

田知本愛は担架に乗せられ畳を離れた。ライバル山部に無念の一本負け。終盤に足払いを仕掛けた際に自身の左膝を痛め、
何とか立ち上がったが、攻勢に出た相手にあらがえなかった。「最後まで戦えなかった悔しさがある」と小さな声を絞り出した。
昨年の世界選手権で2位となり、今年2月のグランドスラム・パリでは于頌、馬思思の中国勢を破って優勝。世界での実績で
五輪は近いとみられていたが、選考会の最後の2大会で連勝した山部に代表の座をさらわれた。
4年前もロンドン五輪代表入りを惜しくも逃した。「あの悔しさを忘れずにやってきた。この大会で出し切りたい」と意気込んでいたが、
またも悔しい結末となった。

田知本愛、無念の負傷=全日本女子柔道
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016041700226

全日本柔道連盟は17日、全日本女子選手権後に開かれたリオデジャネイロ五輪女子78キロ超級代表を決める強化委員会を報道陣に公開した。
試合会場と同じ横浜文化体育館で行われた会では、さまざまな意見が飛んだ。
代表争いの俎上(そじょう)に登ったのは、優勝した山部佳苗(25=ミキハウス)と準優勝だった田知本遥(27=ALSOK)。決勝は互いに技の
ポイントがないまま進んだ残り1分を切ってから、田知本が左膝を負傷。何とか立ったが、山部が攻勢を強めて隅落としから横四方固めで
一本勝ちしていた。
その後の直前のコーチ会議で作成された代表候補選手の原案で選ばれたのは山部だった。監督、コーチは満場一致だったが、強化委員会の
場では異論も出た。
ある委員がいの一番に追及したのは、選考基準のブレについて。超級をのぞく男女各6階級12人が決まった今月上旬の全日本選抜
体重別選手権後の強化委員会で最重視されたのは、国際大会の成績、外国勢との勝敗だったが、この日の78キロ超級に関しては、
「ここだけ別。2週間前とスタンダード(基準)が変わっているんじゃないか」という声が出た。
2人の国際大会の成績を比較すれば、田知本愛に軍配が上がるのは明らか。一昨年の世界選手権は銅メダル、昨年は準決勝でロンドン五輪
覇者のオルティス(キューバ)を破っての銀メダル、さらに2月のグランドスラムパリ大会では世界ランク1、2位の中国選手を下して優勝も飾った。
一方の山部は世界選手権は14年が7位、15年は銅メダル、グランドスラムパリ大会では初戦敗退に終わっている。
これに対し、強化委員会後の記者会見では、山下泰裕強化委員長はこう説明した。
「対外人、2年間の海外での実績、世界ランクでは田知本の方が若干良いじゃないかという声もあった。福岡の時(選抜体重別)には海外成績を
優先すると言いながら、国内で2回勝った(選抜体重別と全日本女子選手権)山部を選ぶのはいかがなものかと言う声もありました。しかし、
強化委員の方々のなかにやはり、海外の大会をよく見ているわけではない、しかも監督、コーチは全員一致で山部を選んでいる、その監督、
コーチが常に試合を見ている。2年間をみると同じように勝っている、体重別、全日本の優勝、内容も山部のほうが良かったし、一本で勝ったことを
評価することが多かった。挙手に至らずに山部に決まった」。
他にも田知本のケガの状況を考慮すべきという声や、山部の精神面での成長を期待する声もあった。最終的には多数決をとるための
挙手は行わなかったが、すんなりとはいかない選考となった。

強化委から異論の山部佳苗が代表 選考基準にブレ? - 柔道
http://www.nikkansports.com/sports/news/1633483.html