言葉が湯気立つほどに、勝者の口調が熱している。「五輪に行きたいんです。必ず結果を出せるんだ、とアピールしたい」。勝てば当確、負ければ
それまで。胸突き坂の競り合いでライバル新井を蹴落とし、女子70キロ級代表は2大会続けて田知本遥に落ち着きそう。
投げの打ち合い、手の封じ合いで攻防入り乱れた決勝も終盤。内股に出る新井の胴を「考えるより先に」ともろ手で捕らえる。返し技の投げは
畳に鈍い音を残し、千金の有効を刻んだ。
国際大会の直前に、市販の風邪薬を飲むポカをしたのは昨年2月。欠場でドーピングの汚名は免れたが、信用は傾いた。「自分はできる」
と膨らませた今日の自信が翌日には「だめかも」としぼむ。浮き沈みを繰り返す気分屋がそれでも再起したのは、78キロ超級で代表の
最短距離にいる姉、愛(めぐみ)の支えがあったから。
「姉妹で五輪」と「五輪でメダルを」。4年前にかなえ損ねた夢を、妹は再び口にする。取り囲む報道陣に自信を問われ、即座に応じた。
「4年前よりあります」と。課題、難題の多いほど腹の中の可燃物がうずくのも気分屋の本領らしい。

【柔道】女子70キロ級を制した田知本遥「姉妹で五輪」そして「五輪でメダル」へ
http://www.sankei.com/sports/news/160402/spo1604020043-n1.html

田知本遥、女子70キロ級連覇
女子70キロ級を連覇した田知本遥が2大会連続の五輪出場へ望みをつないだ。準決勝で2014年世界選手権銀メダルのヌンイラ華蓮
(了徳寺学園職)を一本背負いで投げ飛ばし、代表争いで先行する昨年の世界選手権代表の新井との決勝も終始、攻め続けて優勢勝ちした。
ロンドン五輪ではメダルが遠く、昨年2月には、ドーピング規定に違反する風邪薬を服用して全日本柔道連盟から警告処分を受けた。険しい道のりに
「心が折れそうになったが、いろいろなことを経験してタフになった」。持てる力を出し切って吉報を待つ。
女子70キロ級・新井千鶴 (準優勝に終わり)この試合にかけて、日本一になりたいと思ってやってきた。今の段階で出せる力を出して返された。
女子78キロ超級・田知本愛 (準決勝敗退)防御を考えすぎて自分の柔道ができなかった。

柔道:原沢、リオ近づくV 男子100キロ超級
http://mainichi.jp/articles/20160403/k00/00m/050/040000c

田知本愛 自分の柔道ができなかった。自分の手で五輪代表を手にしたい気持ちが強かったけど、その思いが悪い方に出てしまった。
気持ちで押された
新井千鶴 精いっぱいやった。持っているものは出し切ったが、気持ちで押し込められて決められた。経験不足。もっと柔道と向き
合わなくてはいけない。

選抜体重別柔道・談話
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016040200254

女子78キロ超級の代表争いをリードしてきた田知本愛は、準決勝で東海大の後輩・朝比奈に苦杯。「自分のペースに
持っていけなくて、防御ばかりを考えすぎた」と肩を落とした。一方、2番手として追う山部は決勝でその朝比奈を下し
2大会ぶりの優勝。大粒の涙をこぼし「負けたら先はないと思っていた。最近は試合が怖かったけど、この優勝は
自信になる」とし、最終決戦の全日本女子選手権(17日、横浜)に視線を向けた。

田知本愛まさか 準決勝で後輩・朝比奈に苦杯「考えすぎた」
http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2016/04/03/kiji/K20160403012332910.html