スズキの本社は浜松市にあり、主要工場はこの本社周辺の静岡県内にあり県下のトップ企業である。静岡県内における大企業としての経済的な影響力は大変大きく、社会的責任もきわめて大きなものがある。
 このような大企業が労働者へのサービス残業問題で、古くは一九八〇年代から、最近では一九九七年、二〇〇三年、二〇〇五年に、労働者からの申告により、浜松労働基準監督署からその都度サービス残業の調査と是正指導を受けてきた。二〇〇三年には、会社内の業務のやり取りはパソコンの電子メールでおこなうことから、送受信の時刻が全て記録に残ってしまうため、送受信時刻を消し証拠が残らないようなプログラムをつくりサービス残業をおこなわせていた問題が国会で取り上げられた。こうした悪質さが国会で指摘されたこともあり、スズキは「七〇〇〇万円のサービス残業代を支払った」と報じられた。
 しかしながら、同社は、労働基準監督署の指導を受けたときは一時的にサービス残業の是正はするものの、しばらくするとまたサービス残業を繰り返すのが常となっているのである。


どうしようもない