フォーリー氏が調査したのは、ナイフや弓矢のような昔からある武器を使った殺人である。
「右からと左からでは弾道も違うため、銃でも結果は同じだろう」と同氏は話す。
また同氏は、「戦いでの戦略的なメリットが自然淘汰に有利になり、左利きは世代が進むにつれて
増えていくことになる」と解説する。ただしその増加要因も、生存上のハンデが影響して結局は相
殺されることになる。さらに、「戦いの勝者は異性へのアピール力が増し、結果として繁殖が有利
になる」とも話している。

左利きには戦い以外にも優れた面がある。例えば、左利きは両手使いの割合が右利きよりも多い。ま
た、IQ 131を超える知能の優れた子どもは左利きである確率が高いという。

研究チームは、左利きのフランス人男性は右利きよりも平均収入が高いという事実も突き止めた。こ
の件については、他のヨーロッパ諸国でも同じ結果が出ている。フォーリー氏は、「経済的な成功は、
繁殖の成功と直結している。したがって、収入の高い左利きはより多くの子をもうける可能性があり、
結果として左利きが増えていくことになる」と結論付けた。