暗黒と光、陰と日向といった、まったく対照的なものも、実は一個の統一体の側面の反射に過ぎません。陰なくしては日向も有り得ず、光なくしては暗黒も有り得ません。
それと同じ理屈で、困難は魂が向上するための階段です。

困難・障害・ハンディキャップ――こうしたものは魂の試練なのです。それを克服した時、魂はより強くなり、より純粋になり、より充実し、かくして進化が得られるのです。


無限の可能性を秘めた人間の潜在的資質が、困難も苦痛もなく、陰も悲しみの体験もなしに発現すると思われますか。発現するはずがありません。


悲哀の極みをなめ尽くして初めて、魂の奥底からの喜びが味わえるのです。生命の階段を低く下りるほど、それだけ高く上がれるのです。
地上人生の陰と思える体験を多く味わうほど、それだけ日向の喜びがひとしお身にしみるのです。

全てのことが進化の肥やしになるのです。そのうち皆さんも肉体の束縛から解放されて曇りのない目で地上人生を振り返る時がまいります。
その時、紆余曲折した一見取り留めもない出来事の絡み合いの中で、その一つ一つがちゃんとした意味をもち、皆さんの魂を目覚めさせ、その可能性を引き出す上で意義があったことを、つぶさに理解なさるはずです。