株式上場審査をする上で、コンプライアンスは、予実管理、タイムリーディスクロージャ等と並んで大変重要な項目となっています。
特に、法令順守ができる組織体制になっているか、つまり組織ぐるみで悪いことをしないか、というポイントが重要です。
コンプライアンスはかなり広範な範囲にわたって審査されます。
例えば、個人情報流出が、システムの問題で起こったのではなく、社員の悪意によって起こされた場合、社内ルールを遵守していなかったのではないか、とか社内ルールに不備があのではないか、ということが問われます。
最近では、最も重点的に審査される事項の一つは、サービス残業です。
「時間外労働の管理方法および時間外手当の未払いの有無について教えてください。」と、審査で、必ず聞かれる事項です。この問いは、いまだに多くの会社がビクっとするのではないでしょうか。
取引所審査までには、十分に回答できるようになっておいていただきたいものです。
多くのケースでは、サービス残業に関しては、全従業員から念書を取ることになります。
サービス残業ができなくなり売上高が落ち、上場ができなくなったというケースもあると聞きます。
サービス残業に関しては、弁護士のオピニオンレターを取り、過去2年分のサービス残業分を社員に支払うことで解決させることが多いようです。