低評価点
原作者ヘイト:好みが大きく分かれるところ。原作者への糾弾は自分は好きだし言ってることも正直わかるけど色々といかんでしょ。二次創作でしかできないという意味ではよくやったとも思うけど。
 ある種真のテーマの一つであるからこそ無理な人はこの要素一つで作品全体を低評価なものにするだろう。

園崎・村人ヘイト:ハッタリ込みなのは最後の方まで読めばわかるし必要な事でもあると思う。原作での扱いに疑問を覚えるのも確かではある。それはそれとしてやり過ぎと拒否反応が出てしまっても仕方ない部分はあると思う。
 また、それに伴い言われっぱなしのサンドバッグとSEKKYOU染みた印象を持ってしまってもおかしくないため、低評価を受けるとした場合の大きな要素となり得る。

ED演出:話自体はとても良いのだけど選択肢が出始めたあたりから比較的短いスパンで何度もED→タイトルどーんの同じ演出を見る事になるため、そのあたりは少し辟易した。とれる演出幅が少ないとはいえ
 EDを一つ見れば後はコンパチで他を見る必要はさしてない、という形式ではなく、全員のエンドを見て全てが得られるという形式だからこそ、その部分には少し工夫がほしかった。

完成時期:低評価というより残念な部分。二次創作の輪を広げえる素晴らしい出来なだけにひぐらしのコンテンツの盛り上がりが完全に消えた頃に完成したのがもったいなくて仕方がない。

追加設定要素:これは高評価・低評価どちらにもつながる部分。非常に作りこまれており個人的には大変な好印象であるが、ひぐらし原作原理主義的な視点で見ると許せない部分になり得る。
 特に低評価となる場合顕著なのは虚崩し編の実質的な主人公として立ち回る祟殺し編アフターを経験した圭一や元凶として設計された桜花に関わる部分になるだろう。
 その中でも祟殺し編アフターを経験した圭一は本来の圭一とは異なる半ばオリジナルキャラクターに片足を突っ込んだ存在になる事から、受け入れられない人は祟殺しアフターまで持たない可能性も高い。

メタ:原作者ヘイトや読者への語り掛け等を話を破綻させないように頭おかしいレベルで多量に組み込んでいるが、これを決着にも使っているのは急にメタ的な話を盛り込まれたと思われる可能性もままあるため人を選ぶ部分だろう。


総評

祭囃子編に納得できずにひぐらしを卒業し損ね消化不良を起こしたプレイヤーへの毒薬スレスレの胃腸薬のような存在
あくまで個人的な評価ではあるが質・ボリューム共にひぐらし二次創作界文句なしの最高傑作候補だと思われる
無論手放しですべてを称賛できるような完全無欠な作品ではなく、特に原作者に対する扱いや主人公前原圭一、園崎家の面々に対してのアレンジ等人を選ぶ作品ではある。
しかしひぐらしをなく頃にの祭囃子編、あるいは礼の賽殺し編、祭の澪尽し編等の公式完結編を読んでなお更なる完結編を求めたプレイヤーを対象とし
まだ物足りない、あの完結編では納得できないと続きを求めるプレイヤーに対して提示されるものとしては最高の一つではないかと思う
その他、そのようなプレイヤーでないとしても作中で示唆されながらも明言されなかった部分に対してきちんと回答を指し示しているのは原作を補完する正統派二次創作として素晴らしい出来と言える。

本家の模範解答に対して二次創作界隈も追随してしまいがちな中、新たな解答方法を示し他の解答も求めるドストレートにして変化球も兼任した怪作にして
それでいて書くからにはこれが最強だと、すべてのひぐらしプレイヤーをこの作品をもって卒業させる相反した気概を宿した傑作と言えるだろう