高評価点
完結済:最重要。9年もの月日をかけて良く完成させてくれた。

完結編作品:重要。竜騎士の提示した卒業問題である、「『ひぐらしのなく頃に』の物語に沿った、最高の結末とは、果たしてどのようなもなのか。」に対しての解答作は地味に少ないので完結したそういう作品であるのは評価が高まる

オリスク作品:SE・BGM・立ち絵・その他演出。いずれも必ずしも必要なものではないが、やはりあってこそ引き込まれる部分は少なからずある。
 加えて虚崩し編に限らずひぐらし完結作としての創作が祭囃子編と同条件で楽しめるのはやはり大きい。

ボリューム:純粋なボリュームとしても十二分というかこれ読み切るのに十何時間かかるんですかね……通常このような物量になってくると冗長になりがちなのだが、
 表現の仕方はともかく必要な主張と補完と伏線のすし詰め状態であるにも関わらずこのボリュームになったという表現が正しいほどに濃密かつ膨大な文量に圧倒される。

補完要素:原作の細かい隙間部分や矛盾点を補完している他、原作中で本人視点が然程与えられなかった結果掘り下げが半端なメインキャラクター(例:悟史・魅音等)の内面への掘り下げや
それぞれのキャラクターが持つ罪の指摘、そしてその罪を本人がどう受け止めるかという描写が非常に丁寧に消化されている。

エミュ力:非常に高い。作者曰く勝手に動いたとの事だがキャラクターに関しては黒梨花がところどころ意図的にか年齢相応混じるあたりが怪しいくらいでほぼ違和感を感じない。
 また、演出面での再現度も非常に高く、SEやBGMの選択のらしさもさることながらオリジナルのフレデリカの詩までも用意されている。

追加設定要素:これは高評価・低評価どちらにもつながる部分。主に羽入りや桜花・魅音に関わる部分、祟り殺し編アフター、そして奇跡に対しての部分が主となる。
 基本的にいずれもクオリティが高くまとめられているため、柔軟に取り入れる姿勢が出来ていれば十分に楽しめる内容となっている。
 
マルチエンド:素晴らしい。それぞれのヒロイン好きに余地が残されているのもさることながらそれぞれがこれからの虚崩し編の後日譚となるように機能しており、
 はっきりと確定したわけではない、本編後日の輪郭が見えてくるようになってくる。そのため推しがいなくても楽しめるように上手く作られている。
 代わりに全てのエンドを見る事前提で作られているため特定ヒロイン推しで他は別にという方にはもしかしたら不評かもしれない。

テーマ:祭囃子編の否定と原作者への糾弾。そして祭囃子編を含めた全てのひぐらしの肯定と無限の可能性の示唆と扇動。よくまとめたなこんなもん