解決編Aその2

沙都子から村人達への村八分開始の経緯の確認は直に問いかけるというような形を取ってこなかったこともあり新鮮かつ好きな部分
村長はじめ村人達が慣習的にか、それとも無意識の保身のためか使ってしまう偏った表現とそれに対する指摘好き

>「……沙都子だってさ。今住んでいる家を、土地を追われるのに抵抗するのが悪いなんて言わないでしょ? 
> いきなり引越しが決まって友達と離れ離れにされる、とかでもいい。嫌でしょ、そんなのは」
魅音のせいじゃないにしても園崎家がこれ言っちゃそりゃ詩音も思わず割って入ろうとするわ

>「村をまとめる為に北条夫妻を……“見せしめ”にしたの。村の裏切り者のレッテルを貼って、徹底攻撃した。
> 立ち退き派だった人達が同じ目に遭うのを怖がって宗旨替えをするように」
ここ今見返すと詩音を見せしめにして魅音へ脅迫する構図なんだな……

>『…………魅音さんの他に話を聞かせてくれる方は居ませんの? 語り手を魅音さんに限定した覚えはありませんわ。
> 魅音さん一人に喋らせて後からそうじゃあないと否定してやり過ごすつもりですの_?』
>『公由村長も、少し引いておいて下さいますか。私は、その場に座っている皆さんにお聞きしたいと思います。
> ……その中には、当時、私の義父の……北条の味方をした方もいらっしゃるんでしょう? 誰の記憶に残らなくとも、本人は覚えている筈じゃございませんか』
>『そこに座った方々で北条を虐めなかった方は、一人もおりません。つまり、最初は北条の味方をしておきながら、死んだ北条だけは悪かったからと、
> ずっと今日まで言い続けた人間がいらっしゃいます。お聞かせ下さいまし、その理由を。何故そんな事が出来て、何故そんな真似を続けてきたのかを』
黙っていること封じるこの一手の言い回し痺れる

茜は不用意な発言多いように見えるけどこれは無自覚に被害回避を狙いつつ煽ってるのかそれとも分かりにくいフォローのつもりなのか悩ましい

好きな部分ばかりで全文抜粋するような形になるので自重するが沙都子の北条家目線での村八分に対する訴えは理路整然と並べられるとぐうの音も出ない言葉の連続で唸る
むしろ原作では勢いでそういうものかと思わされてしまっていた自分が怖くなる

沙都子の動機の宣言からの大石の拍手、礼のメンバーと知恵先生達の到着と続々と集まってくる『沙都子と魅音の味方』が終わりが近いことを感じさせる
このあたりでは知恵先生が誰よりも早く沙都子への謝罪をするのが最高に好き。カレー関連以外は本当にできた人だ……
その上で沙都子達のやり方に任せるでもなく、認められない点は認められないと告げ、自らが信じるところのより良いと思える代案を出す所が非常に好感が持てる
対して沙都子側も何故その代案を受け入れられないのかをきちんと伝えるのが良い


詩音が村人の「肯定しきれない園崎家への恐怖」を解消するためにはっきりと連続怪死事件への関連を否定するシーンは
下手すると園崎家内部のマッチポンプという印象になりかねないところを忌子としての経歴・被害の提示や今回の事件により敵対を強く印象付けることで
なおかつ悟史に執着を持つ園崎詩音の立場を明示することで上手く内部告発として機能させていると思う

詩音が最後に答えを提示して喜劇に終わらす筋書きとしてる所に虚圭ちゃんの優しみを感じる