そういや死んだばあさん(父の母)は、夫が死んでもずっと惚れていて、祖父が存命の時は
ソファで新聞を読んでいる祖父にべたべたして「じいちゃんは可愛いねえ」って言ってました

祖父が亡くなってしばらくして痴呆症を患いましたが、
「夫と喧嘩をしてしまい実家に帰りたがっている若妻」というシチュエーションを発動させて困ったことがありました
祖母の故郷というのは仙台だし、そもそも祖母の実家というのは彼女の思い出の中にしか存在していませんでしたので
どうしたものかなーと思いつつ、とりあえず車に乗せて30kmほど離れた「父の実家」(無人。叔父が管理していた)
まで連れて行ってみたら何かが満足したようで、そのまま家に連れて帰りました。

その時期の祖母は祖父と父をしばしば混同していて私については何者かわからないようで(親切な他人?)、
帰るなり父の足元に縋り付いて、なにやらしきりに家出をしたことを詫びていました
(私がシチュエーションを説明したうえで、父が許すようなことを言ったら落ち着きました)

痴呆が進行してきたある夜に、父の布団に忍び込んでセックスをねだりだしたことがあって、父は実母から迫られたことが相当ショックだったようでした
それがきっかけで施設に入れることになりましたが、私は「ああ、祖母は年を重ねても女だったんだな」とか
「祖父のことを本当に愛しているんだな」と思って、かなり感銘を受けました

無教養で自己本位な女性でしたが、孫に対しては猫かわいがりをするし、愛情深くて可愛い人でした
女性の生き方として、一つの理想だと思います