4/6 - 4/12 isuta

歩行とリズム

さりげない連続性

今週のおうし座は、荒川洋治の「見附のみどりに」という詩のごとし。
あるいは、日常に隠れたリズムの中にこころの平穏を見出していくような星回り。

すぐれた詩の特徴はその「連続性」にあり、ただ言葉のパンチが強ければいいとか、物語が奇抜でなければならないということはなく、
むしろ何がいいのか分からない程度にそれらが隠れている、さりげなさこそが大切になってくる。

それを強く感じさせるのが例えば「見附のみどりに」という作品であり、ここでその冒頭部分を引用したい。
「まなざし青くひくく 江戸は改代町への みどりをすぎる 
はるの見附 個々のみどりよ 朝だから 
深くは追わぬ ただ 草は高くでゆれている」

自分がある場所を通ったときの風景を、ただ淡々と描いているのだけれど、そのテンポが独特で、
特別かつての戦争の時代や不幸や災難などとの比較を持ち込まずとも、まるで言葉の流れそのものの中に平和が宿っているように感じられてくる。

8日におうし座から数えて「自分なりの美学」を意味する、6番目のてんびん座で満月が起きていく今週のあなたもまた、
ことさらに自己主張するのとは違う形で、自分なりの流儀を貫いていくことになっていくだろう。