日本のファンが懸念しているのは、スーパーライセンスが取得できたとしても、F1のシートを獲得するためには莫大な持ち込み資金が必要とされ、そんなスポンサーなど存在しないのではないかという点だ。

こうしたF1を取り巻く難しい状況はホンダとしても百も承知で、それを踏まえたうえで日本人F1ドライバー創出のための支援を惜しまない、という強い決意を持っている。

 つまり、才能よりも資金の額でシートが決まってしまうのなら、ホンダがパワーユニットを供給することで、その供給先にシートを用意してしまおうというわけだ。

「そこはホンダがやります。ホンダはグローバル企業ではありますが、日本のモータースポーツを盛り上げるという意味では日本人が乗ることはとても大事だと思っています。ですから、彼らががんばるのと同じように、中嶋悟さんがF1に行ったときのように我々もがんばって、日本人が乗れるシートを用意する努力をしなければいけない。それは、彼らの力でどうにかできることではありませんから」