産業技術総合研究所(産総研、茨城県)の宮下由香里・活断層評価研究グループ長は8日、
熊本地震の震源付近から延びる「日奈久断層帯」が過去に2千〜3千年に1度の高頻度で活動し、
断層帯内の複数区間で近い時期に地震が起きていたことを示す研究結果を発表した。

 同断層帯は益城町付近から南西へ延び、全長約81キロ。北から順に「高野−白旗」「日奈久」「八代海」
の3区間に分けられている。研究は前震を起こした高野−白旗区間に隣接する区間の活動履歴を調べる目的。
甲佐町(高野−白旗区間)と宇城市(日奈久区間)の2地点で地面を掘り、地層のずれから過去の地震を推定した。

 その結果、高野−白旗区間では少なくとも6回、1万5千年前以降に5回の断層活動を確認。日奈久区間では
1万8千年前以降に6回だった。いずれもマグニチュード(M)7級の大地震で、平均活動間隔は2千〜3千年。
政府の地震調査委員会はこれまで、高野−白旗区間の平均活動間隔を不明、日奈久区間を3600〜1万1千年としていた。

 両区間は近い時期に活動したとみられることなどから、両区間の区分けを見直す必要にも言及。区分けの見直しで
区間の長さが変わると、想定される地震の大きさも変わるという。

 宮下グループ長は「日奈久断層帯をメインとする地震が起きると、熊本地震を上回る可能性がある。調査を進め、
住民に伝えたい」と話している。

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