0101名無しさん@お腹いっぱい。
2016/07/27(水) 07:33:43.95ID:lBrd6SeN0犯罪史に残る凄惨な事件である。
神奈川県相模原市の知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」に刃物を持った男が侵入し、入所者らを次々と襲った。19〜70歳の男女19人が死亡し、
重軽傷者も26人に上った。
就寝中の入所者を狙った未明の凶行だった。突然、刃物を突き立てられた入所者の恐怖と苦痛は、いかばかりだったか。
施設の元職員の男が、県警津久井署に出頭し、殺人未遂容疑などで緊急逮捕された。男は容疑を認め、県警は殺人容疑に切り替えて取り調べる。
所持する複数の刃物に血が付着していた。
ハンマーで窓ガラスを割って侵入し、夜勤職員を結束バンドで縛って犯行に及んだ可能性がある。周到な計画性がうかがえる。
不可解なのは、動機である。男は取り調べに、「障害者なんていなくなればいい」という趣旨の供述をしているという。
予兆はあった。男は2月14日と15日、夜間の犯行を予告するような手紙を東京の衆院議長公邸に持参し、警視庁が津久井署に対応を引き継いでいた。
男が「重度障害者の殺人はいつでも実行する」と話したため、津久井署は相模原市に通報した。
市は「自傷他害の恐れがある」として2月19日、緊急措置入院を命じ、男はこの日、3年余り勤めた施設を自主退職した。在職時にも、障害者を冒涜
するような発言があったという。退職に至った経緯が動機解明のカギとなろう。
入院時の検査では、大麻の薬物反応も確認されたが、市は3月2日、「症状がなくなった」とする病院の診断に基づき、男を退院させた。この判断と、
その後の対応について検証が不可欠だ。
これほどの重大な殺傷事件を許したことは、社会にとって痛恨事である。事件を受け、安倍首相は「真相究明に政府としても全力を挙げていく」と強調した。
菅官房長官は、厚生労働省を中心に、関係省庁間で再発防止策を検討する方針を示した。そのためには、神奈川県警が事件の全容を解明することが前提となる。
福祉施設の防犯態勢の再点検も進めるべきだ。利用者にとって使いやすい開放的な構造が、防犯上の盲点となっているケースなどはないか。施設管理者は
確認を急ぎ、改善に努めてもらいたい。
地域住民の理解なしに、福祉施設は成り立たない。施設が地域から孤立しないためにも、事件の再発防止を徹底せねばならない。
2016年07月27日 06時04分 Copyright The Yomiuri Shimbun