安倍首相や日本会議系人士がなぜあれほど「夫婦別姓」を拒絶するかについては、日本会議事務総長の椛島有三氏が内輪の機関誌で理由を告白している。夫婦別姓で男女同価値、男女同権を認めることで、女性天皇や女系天皇の容認論に繋がるのがこわいのだという。

つまり、天皇の男系維持に固執し、それを絶対的なドグマ(教義)と見なす日本会議系の安倍政権が続く限り、この国では本質的な意味での「男女平等」や「男女同権」は実現しない。それゆえ、男女平等と一見似てはいるが実は無関係な「男女共同参画」や「女性の活躍」などのまやかしの言葉を盛んに使う。

福田元次官の問題における麻生太郎氏の発言や、その麻生氏を辞任させない安倍晋三氏の態度を見れば、彼らが宣伝用に掲げる「女性の活躍」が、決して女性の権利尊重や性差別撤廃を目指すものではないことが明らかだと思う。メディアは、こうした言行不一致も報じる責任を負う。