事実関係を正直に言えば、自分や自分の上位者の立場が悪くなる時、「記憶にない」とシラを切る戦術も一般化しているが、本来ならその場で「重要な事実関係を簡単に忘れ、
記憶能力の低さを補うメモも取らない人間は、政府の要職に就く資格がない」「すぐに辞任・辞職して下さい」と言わないとおかしい。

しかし国会中継を見ても、「記憶にない」とシラを切る戦術を使われた側は事実上無為無策で、「それを言われたら手も足も出ない」という態度を取ることで、それを「使ってもいい戦術の一つ」として事実上追認している。
野党議員とメディアが追認すれば、誰もがその戦術を使うようになるのは当然のこと。

「記憶にない」という言い訳が通用するのは、その後に「自分には公職に必要とされるレベルの記憶力も、それを補う記録を取る必要性の認識もない、公職には不適格な人間なので、辞めます」と続く時だけ。
記憶を自由自在に隠したり蘇らせたりする行為を「戦術」として追認する悪弊をやめないといけない。