岐阜県土岐市は24日、市立総合病院(同市土岐津町)が時間外労働に関する労使協定を結んでいないにもかかわらず、法定労働時間を超えて職員らを働かせ、
総額1億円以上の時間外労働賃金などを支払っていなかったとして、多治見労働基準監督署から是正勧告を受けたと発表した。市は10日、労基署に是正措置を報告したという。

 市によると、法定時間を超えた労働などは多治見労基署が4月に行った抜き打ち調査で、電子カルテのログイン状況などから判明した。
病院は職員に宿直勤務もさせていたが、労働基準法が定める要件を満たしておらず、労基署の許可も得ていなかった。

 時間外労働賃金と宿直時の割増賃金の未支給は、2015年4月から17年3月までの2年間で、看護師を中心に216人、計1億1595万円に上る。
病院は全員に対し、遅延損害金を含めて12月に支給する予定という。

 病院側は是正措置として、宿直勤務について5月22日付で労基署長の許可を受け、6月16日に時間外労働に関する労使協定を結んだ。
同病院総務課の担当者は取材に対し「是正勧告に基づき適切に対応したい」と話した。