北九州市八幡西区穴生（あのお）４丁目のマンションで８日午前６時ごろ、７階に住む職業不詳の男（６５）が猟銃を発砲した。
福岡県警の捜査員が約７時間半後、部屋に立ち入ったところ、男が頭から血を流して死亡していた。猟銃で自殺したとみて調べている。けが人はいなかった。

　県警によると、８日午前６時１０分ごろ、６０代の妻が「夫が飼い犬を猟銃で撃った」と別の階の住人に伝え、住人が１１０番通報。
男は室内で飼い犬のダックスフントに猟銃を１発発砲し、妻が逃げようと部屋を出た際に２発目の発砲音がしたという。男は２発目で自殺を図ったとみられる。

　県警は男の携帯電話や固定電話に連絡したが、応答はなかった。捜査員が午後１時４０分ごろ室内に入ると男は寝室で死亡しており、近くには猟銃があった。犬も死んでいたという。

　妻は県警に「夫は元自衛官で、仕事関係で悩んでいた」などと説明。男は標的射撃のため、猟銃所持の許可を得ていたという。県警は、銃刀法違反や動物愛護法違反の疑いを視野に調べる方針。

　現場周辺は一時、立ち入りが規制され、一部の住民は近くの市立穴生小学校の体育館に避難した。
同じマンションの５階に住む７０代の男性は、男が妻と町内の清掃活動に来ていた姿が印象に残っているという。
「エレベーターで会うたびにあいさつをしてくれた。意外です」と語る。午後に規制が解除されると「ほっとした。長く体育館に座っていたから身体がきしみます」と話した。

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