厚生労働省は23日、医師の働き方改革に関する検討会に対し、医療保健業(病院、診療所など)の労働時間の違反状況を報告した。法定労働時間(1日8時間、週40時間)に違反したものを集計したもので、全業種と比べて違反率が「高い」としている。【新井哉】

 厚労省によると、2016年の労働監督機関による定期監督などの実施件数は13万4617件で、労働時間に関する違反は2万8252件(約21.0%)あった。

 全実施件数のうち、医療保健業は1613件で、このうち違反は585件(約36.3%)あった。厚労省は「全業種の労働時間違反率と比べて高い」としている。14年と15年も同じような傾向だった。

 この日の会合では、委員と参考人から救急科後期研修医や心臓外科医などの長時間労働に関する報告があった。厚労省は、こうした労働時間違反などの状況を把握し、医師の勤務環境の改善につなげたい考えだ。