岐阜市立の岐阜市民病院が、労使協定(三六協定)で定めた月100時間の上限を超える残業を医師にさせたとして、岐阜労働基準監督署から是正勧告を受けた後、
上限を150時間に増やす協定を結び直していたことが20日、病院への取材で分かった。関係者は「緊急対応が必要な医師であっても考えられない」と批判している。

 病院によると、医師の残業を月100時間(年6回まで)、年間870時間まで可能とする労使協定を平成28年5月に締結した。
同年11月、労基署の検査で上限を超過する医師が複数いることが判明。超過しない労働環境にするか、実態に合う上限にするよう是正勧告を受けた。

 対応を検討した同病院は29年5月、上限を月150時間(年6回まで)、年間1170時間に積み増す協定を結んだという。

 同病院の病院政策課は「労働環境の改善に努めているが、医療の現場では難しい部分もある」としている。
「東京過労死を考える家族の会」の中原のり子代表は「過労死ラインの月80時間を大きく超えている。根本にある医師不足の問題から解決するべきだ」と話した。

http://www.sankei.com/west/news/171120/wst1711200044-n1.html