東京都日野市の日野市立病院が、労使間の時間外労働の取り決め(三六協定)を超えて医師らに残業をさせていたとして、八王子労働基準監督署が設置者の市に是正勧告していたことが20日、同病院への取材でわかった。

 同病院事務部によると、昨年12月の勧告で協定を超える残業が認定されたのは、男性内科医(48)や男性看護師(35)、男性事務職員(41)ら5人。
うち男性内科医は昨年8月、同病院が医師に関して協定の特別条項で定める月120時間を超え、月172時間の残業をしていた。昨年4〜9月の平均残業時間も約125時間だった。
ほかの4人も、昨年度中に協定が定める時間数を超えて残業した月があったという。

 この内科医の残業時間が増えた理由について、事務部は「責任感が強く、自発的な残業だった。一部に大幅に残業した月があり、対応できなかった」と説明。
勧告後は労働時間の管理態勢を見直し、現在は月100時間の残業時間を超える医師はほぼいないという。

 また同病院では、三六協定の期限が今年3月で切れ、現在、労使交渉中だった。
このため、今年度は協定がない状態での時間外労働が続いており、これについても労基署から今年6月に是正勧告を受けたという。

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