酒に酔った女性を暴行したとして、準強姦罪に問われた東京慈恵医大病院の松岡芳春研修医(32)=休職中=の判決公判で、
さいたま地裁は26日、「松岡研修医の犯行とするには合理的な疑いが残る」として無罪(求刑懲役4年6月)を言い渡した。

 佐々木直人裁判長は判決理由で、女性は相当強い酩酊(めいてい)状態にあったと指摘。現場のマンション一室には、
松岡研修医の友人の男性2人もいたとして、女性が加害者を特定した根拠について「出会って数時間の状況で、
複数いた男性のうち1人の声や雰囲気から判断したという曖昧な内容で、信用性には疑問が残る」と述べた。

 女性が示談を望んでいたため、起訴は有効ではないとの弁護側主張は退けた。

 弁護側は「女性はどこかで誰かに姦淫されたという記憶しかない。真犯人を誤って覚えている可能性がある」などと主張していた。

 松岡研修医は昨年8月26〜27日、東京都大田区のマンション一室で、泥酔した20代女性を暴行したとして起訴された。

 さいたま地検の古谷伸彦次席検事は「判決内容を十分に検討し、適切に対応する」とコメントした。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22746390W7A021C1CZ8000/