俺は、今年の高値3600円でめいいっぱいの売り立てをし、3200円で決済。
巨額の金を数ヶ月で手にした。
俺は調子に乗った。遊びまくった。部不相応に贅沢した。愛人も10人以上作っては、熱海へ、函館へ、箱根へ、伊豆半島へ、馬鹿みたいに旅行・豪遊を繰り返した。
「金の雨を降らせ!」と一人で騒ぎながら、有頂天になった。これが「地獄の借金生活の始まり」だとも知らずに。
900ドルが白金の底値であると誤認した俺は、今までの利益、全財産を全て白金の買いに注ぎ込んだ。結果はどうなったか言うまでもない。
俺は、不眠症になり、ドライアイになり、角膜炎になり、ノイローゼ気味になり、食事の喉も通らない日々に突き落とされ、涙で明日の見えない人生に転落した。ただ働くしかなかった。
そしてただ相場を見つめては小手先を繰り返すしかなかった。
簡単に大金をつかめる先物取引は、あまりにも簡単に俺から大金を奪い返し借金を与えた。
相場には、「魔王」が住んでる。
俺は、そう意識するようになった。