超純愛小説「長老と北川景子」
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そんな事を亜佐美に伝えると「そう。神は寛大な方だし、
性についても実は寛大なんじゃないかなって私は考えるようにしているの。」亜佐美の必死の説得に洗脳されそうになったし、
まるでエバが狡猾ににアダムを騙そうとしているように感じてきた。「あのね、亜佐美。亜佐美のセラピーは有難いし感謝しているんだけど、
俺はね、亜佐美と会ってからずっと同じような事を理論武装して来たんだ。亜佐美との性の不道徳が許されざる罪ならば、
どうか私を殺してくださいと真剣に神に祈ってきた位なんだ。最近のものみの塔研究でも性の不道徳の危険性を喚起する記事があってさ、
司会したのは実は俺だったんだ。どうしても理屈で納得するのは不可能だと思うんだ。」
私がもう聞きたくないという表情をして、紅茶を入れていると、「もう完全に洗脳されているんだから」と暫く無言が続いた。
背教者といるようで、不快な想いをしていることを感じ取ったのか、亜佐美はお風呂へ入っていった。
僕はホテルのテレビモニターをぼんやり観ていた
亜佐美が風呂から戻ってくると「ごめんね。現役長老殿には無理があるよね。」
「いいや、長く話して疲れたろう?」俺はバスタオル一枚の亜佐美にどぎまぎした。
「ううん、私は隼人兄弟を救うと約束したじゃない。そりゃ理屈じゃ無理だよね。
これから私が言うこと見る事でびっくりするだろうけど、秘密は絶対に守ってくれる?」
なんだか意味深な笑みを浮かべいる。「え?え?、何を言いたいの?全く意味が分からないんだけど?」
「長老より上の上層部は統治体が言うことは提案書だと良く判っていて、性も思う存分楽しんでいるってこと。」
「えー?なにそれ?」「本当に約束を守れる?」俺は好奇心から思わず「うん。分かった。」
と答えてしまったのがいけなかった。