超純愛小説「長老と北川景子」
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ふーん。と亜佐美先生から授業を受けるように聞き入っていた。「ごめん。最後の五つ目の事は、本当なの?なぜ知ってるの?」
と聞くと、亜佐美の表情は少しこわばり、「それは、今は無理。いつか証明してあげるから、とりあえず他の四点について考えようよ。」
非常に気になったが、亜佐美先生の授業はまだまだ続きそうだ。とりあえず聞くだけに留めておいた。
俺は「けどさ、単刀直入に言っていいかな?別に非難している訳じゃなくてね。お互い立場が違うじゃん。俺、これでも長老だよ。
亜佐美は失礼だけどもう組織とは関係のない人間だよね?」となるべく穏やかに言うと。
「私は確かに離れているけど、エホバへの信仰は忘れていないよ。神との関係は個人的な問題でしょ?誰にも推し量れるものじゃないし、
関与も出来ないはず。私はエホバを愛してるよ。マジでいつかは組織に戻ろうかかと考えているんだよ。
まあ、タイミング見計らっているワケ。
前から言いたかったけど、長老と末端の姉妹ってエホバから見たらどう違うのかな?長老のその特権意識って何?はっきり
云うと兄弟には失礼だけどはっきり言って不愉快極まりないかな。私が女性からかもしれないけど。
離れてるからっていっても私もエホバの創造物なんだよ。私が不道徳を重ねていても、私はエホバから愛されていると教義に反しても私は思ってるの。
それっていけない事かしら?数年前の夏の大会で「帰ってきてくださいって」リーフレット配られたよね。
あれを読み返して欲しいな。」
亜佐美は冷静に「姉妹」の注解のように真剣に言葉を選んでいた。亜佐美の独白に圧倒されていると。亜佐美はさらに続けた。
「要するに、いくら長老でも離れている私なんかでも寛大で愛あるエホバからみたら、対等じゃないかしらと私は言いたいの。」
「なるほどね。まあ、亜佐美の考えはわかったよ。」と私は全否定してやりたい所も多々あったが、とりあえず相槌を打った。