超純愛小説「長老と北川景子」
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亜佐美からのラインからというもの、セックスをまるでAVのように軽く考えている自分であったが、いざ自分に降りかかると
性の不道徳への良心の呵責というヤツが強烈に強烈に襲ってきた。長老失格と今度は全身で完全に自信を失っていた。
数日間、自問自答し散々に理論武装を試みるが、幼少期からの真理をひっくり返す事は所詮無理な話だった。
不器用でクソ真面目な自分を呪った。そもそもなぜエホバは亜佐美のような美し過ぎる素晴らしい創造物をお造りになったのか、
ああ神エホバよ・・・。エホバさえも呪いたくなる自分がいた。
結局、辿り着いた答えは、俺は亜佐美を抱いて長老を辞めさせられる位なら、死んでも、滅ぼされても構わないし、本望だと結論した。
ゆえに私はこう祈った。「信愛なる神エホバ。もし、性の不道徳が許されぬ大きな罪ならば、いっそ私を殺して下さい。
そして滅ぼしてください」と。もし、他人が聞いたら笑い転げるだろうが、俺は真剣に何度も何度も必死に祈り嘆願した。
土曜日、待ち合わせのコンビニの駐車場でも俺は再度良心の呵責に苛まれひたすらに祈っていた。
いじわるな亜佐美はそんな俺を車のウィンドー越しにずっと覗いていた。亜佐美にようやく気がつくと、強引に笑顔を作り、車を出た。
「なんかあったの?神妙な顔しちゃってさ。」亜佐美は鋭い。要注意だ。「いや、ちょっとね。運転でちょっと目が疲れちゃったかな。」
と取り繕った。亜佐美は「ねえ、お茶買うの付き合って」と私の手を繋いで店内へ入った。