超純愛小説・・・「長老と北川景子」

年末のクリスマスで浮き足立つ繁華街。カップル達が皆幸せそうにしている。そんな町並みを私は毎年寂しい想いをしていた。
もちろん女性と付き合った事はない。幼少からエホバへ捧げたこの身。だが、童貞の自分にコンプレックスは持っていない訳ではなかった。「
けれど、今年は違う。30歳にして長老に任命されたからだ。これまでの苦労がやっと報われたと思った。
清く生きていていて良かった。何しろ自信に満ち満ちていた。「俺は長老なんだぞ」「俺は長老なんだ!」
と繰り返し心の中で念じていると童貞である自分を自己肯定できた。街を練り歩く汚らわしいカップル達がまるで下等動物のように思えた。
街をを歩く全て街の世の人が皆汚らしく下々の人間のように見えた。また繰り返した「俺は長老なんだ!」と。
土曜日のヨドバシカメラは混んでいた。何が欲しいわけじゃないが、ぶらぶら見て歩くのが俺は好きだった。独りでも不自然じゃない。
これまではお金がなくて欲しいものが買えない事に悲しさを覚えていたが、今は違う。だって俺は長老なのだから。
俺は思いっきり妄想した。もし、この店内が会衆だとしたら、
全てを支配し、ふれ伏した成員が全商品を貢ぎ物として持ってくるのは当然の事だ。王朝貴族にでもなったような最高の気分だった。
そんな妄想をしながら、店内をぶらぶら歩いていると当然若い声の女性から大きな声で呼び止められた「隼人兄弟っ!」