無診察で処方箋発行 地域医療、脆弱さ露呈 上小阿仁村


 秋田県上小阿仁村唯一の医療機関・国保診療所の内科常勤医が、
不在で患者を診察していないにもかかわらず、処方箋を発行していた問題。
無診察での処方箋発行は医師法に抵触する行為で、診療所を運営する村は
「法に対する認識が甘かった」とする。常勤医はインフルエンザに感染し
診察できなかったが、代わりの医師が診察する支援体制は整っておらず、
地域医療の脆弱さも改めて浮き彫りとなった。

 村によると、内科常勤医の柳一雄所長(80)は5日午前8時ごろ、
診療所内の検査でインフルエンザに感染していることが分かり、
隣接する住宅へ戻った。村は4日間の休診を決め、午前10時半に
村内全戸に設置されているIP端末機で知らせた。

 しかし、継続的に服用する持病の薬がなくなったという高齢者が、
休診を知らせる前から診療所を訪れていた。「薬だけもらえればいい」と
言う患者の体調を看護師が聞き取り、血圧測定などを行った上で
柳所長に電話連絡し、処方箋を発行したという。


秋田魁新報(2019年2月14日 14時0分 掲載)
https://www.sakigake.jp/news/article/20190214AK0007