好きっていうポジティブなワードは、言った人を幸せにするから。

彼は私と同じでそういう“おふざけ”が大好きなので、この提案にすぐに乗ってきた。



それからその遊びは一晩、1週間、1カ月と続いた。



他人がきいたら「そんなばかな」と思うかもしれない。

「くだらない」と思うだろう。



――が、たったそれだけのことで、私たちは気がついたらお互いのことを好きになってしまったのだ。



真剣に異性と向き合ったことのないふたりの若者の心に、新たな恋が芽生えようとしていた。





つづく