彼は私と同じで遊び人だった。

それも、20歳やそこらで経験人数が30人を超えるような、超がつくほどの遊び人だ。

性欲と気分の赴くままに色々な女とセックスをして、特定の恋人はつくらない男。

だから私は、彼を恋愛対象として見ようなんていう気は微塵もなかった。

彼にとっても私は数ある女のうちのひとりに過ぎなくて、全くといっていいほど特別な存在ではなかったはずだ。