先日、葬儀で火葬場に行った時のことだ。俺たちガチホモ野郎どもは
ガチンコ仲間がくたばっても義理は忘れねぇ。お骨になっても雄の
咆哮を交わしたホモセックスの日々は魂に刻まれ、凄烈に再生されるぜ。

火葬炉へ滑り込んで行くヒゲ熊雄野郎の柩。
ヒゲ熊野郎の死骸は通夜の晩に俺たち雄野郎の野辺送りプレイにより
精液で満タンだ。
これが俺たち雄野郎の手向けの作法なんだぜ。
死して尚、精子まみれで黄泉路へ旅立つ。雄野郎の尊厳ある最期姿の
極北じゃぁねえか。

釜に入る棺桶を拝み参列雄野郎どものオッスオッスの絶叫が幾重にも
響く。隠亡さんも坊さんも圧倒するオッスオッスの大合唱。
チンポを喪服からひり出し、扱き泣きしている強者までいるぜ。

待合室で坊主をみんなで喰っちまったりしながら故人を偲ぶ。
河原で糞セックスしたこと、池上駅前の臭せえ公衆便所で
盛夏に盛りあったこと、岩手の尊民祭に六尺と越中を持参で
参加したことなどを俺は話した。

焼きあがったので骨を拾いにいくと、ヒゲとチンポだけは
焼けずに原型を留めて残っていた。
雄野郎どもはセイヤセイヤと雄叫びを挙げてそれを奪い合う。
以前、聞いたことがある。焼け残ったチンポは世界平和と
ホモライフの充足を約束するという。

ヒゲ熊野郎め、貴様は肝硬変で死にながら万邦の安寧以上を
託して死にやがったのか。
そう思うと熱淚が迸り、おうっおうっ、と嗚咽でも慟哭でも
ない声にならない声で絶叫で火葬炉に突入したんだぜ。