1:296レスCP:0
【三題使って】 三題噺その4 【なんでも創作】
- 1 名前:創る名無しに見る名無し 2012/08/21(火) 22:23:12.07 ID:UYwdNwrK
- 三つのお題をすべて使って創作するスレです。
創作ならなんでも可。
折を見て新しいお題を出し合います。
過去のお題の投下もどうぞ。
お題の提出は一人一題まで。早い者勝ちです。
お題クレクレ以外はsage推奨です。
初代スレ 三題噺
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1219901189/
前スレ 【三題使って】 三題噺その3 【なんでも創作】
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1287933564/
- 287 名前:創る名無しに見る名無し 2026/01/19(月) 10:29:33.22 ID:WC3/pxRL
- 膣
- 288 名前:創る名無しに見る名無し 2026/01/20(火) 13:53:19.57 ID:rY/3i3Bn
- ゴルバチョフの残滓
- 289 名前:創る名無しに見る名無し 2026/01/23(金) 06:41:42.96 ID:TtXovC7k
- ガイドライン
- 290 名前:創る名無しに見る名無し 2026/01/23(金) 07:07:43.37 ID:TtXovC7k
- その街には、目に見えない雪が降り続けていた。ガイガーカウンターが刻む不規則なクリック音だけが、死の沈黙を支配する唯一の律動だった。
かつてプリピャチと呼ばれたその場所は、今や「生存圏外管理ガイドライン」という、冷徹な官僚機構が作り上げた紙の壁によって世界から隔離されていた。
私は、歴史環境調査員という名目でその廃墟に足を踏み入れた。公式な任務は、石柩の周辺に残留する特異なエネルギー反応の測定だったが、真の目的は別にあった。
この地には、一九八六年の惨劇以来、物理法則を無視した「記憶の凝縮」が発生しているという噂があった。現地の老いた残留者たちは、それを「ゴルバチョフの残滓」と呼んで忌み嫌っていた。
ガイドラインによれば、汚染区域内での滞在は三十分が限界とされている。防護服のフィルター越しに吸い込む空気は、鉄錆と腐ったオゾンの味がした。
私は、崩れかけた集合住宅の一室に入った。そこには、放射能汚染によって奇妙な進化を遂げた植物が、壁を這い、天井から垂れ下がっていた。
部屋の中央に、一人の女が座っていた。
彼女は防護服を脱ぎ捨て、全裸だった。その肌は、高線量の被曝によって赤黒く爛れているはずなのに、月の光を浴びた真珠のように、不気味な燐光を放っていた。彼女の瞳は濁り、視線は虚空を見つめている。
「……また、ペレストロイカが始まるのね」
彼女は、私の存在に気づく様子もなく、嗄れた声で呟いた。その言葉を聞いた瞬間、私の脳内に、崩壊しつつある帝国の残像がフラッシュバックした。
ミハイル・ゴルバチョフが夢見た、開かれた社会、そしてその意志が挫折し、巨大な国が自重で壊死していく過程。それらすべての政治的挫折と民衆の絶望が、この極限の汚染地帯で物理的な質量を持った「残滓」として、彼女の肉体に宿っているのだ。
私はガイドラインを無視し、彼女に近づいた。放射線測定器の針が振り切れ、警告音が悲鳴を上げる。しかし、私の指先は、彼女の熱を帯びた肌に吸い寄せられていた。
彼女の腹部は、異様なほどに膨らんでいた。それは生命の宿りというよりは、巨大な腫瘍、あるいは歴史の膿が溜まった袋のようだった。彼女がゆっくりと脚を開くと、そこには、ガイドラインが「汚染の極致」として定義し、接触を厳禁している聖域があった。
膣。
そこは、生命の入り口であるはずの場所だが、今の彼女にとっては、過去と現在が混濁し、放射能によって再構築された暗黒の門戸となっていた。
粘膜からは、粘り気のある発光する液体が溢れ出し、その奥底からは、崩壊したクレムリンの尖塔や、処刑された兵士たちの祈りの声が、物質化した粒子となって零れ落ちていた。
私は、その深淵に手を伸ばした。肉と歴史が融合したその場所は、もはや生物学的な器官ではなかった。それは、放射能汚染という究極の触媒によって、人間が抱えきれなくなった「歴史の重み」を排出するための、物理的な排出口だった。
私の指先が彼女の粘膜に触れた瞬間、猛烈な熱量が全身を駆け抜けた。それは細胞を焼き尽くす放射線の苦痛ではなく、一個の人間の意識に、一億人の記憶を強制的に流し込むような、暴力的なまでの情報の奔流だった。
ゴルバチョフの残滓――変革を求めて果たせなかった亡霊たちが、私の血管を通じて、新たな住処を求めて蠢き始めた。
「産まれるわ。新しい世界が」
女が狂おしく叫んだ。彼女の肉の門が最大まで裂け、そこから滑り出してきたのは、赤ん坊ではなかった。それは、無数の歯車と、錆びた鉄屑と、そして腐食したイデオロギーの断片が、放射能によって凝固した、名状しがたい「何か」だった。
それは床に落ちると、自律的に脈動を始め、周囲の瓦礫を吸収して巨大化していった。ガイドラインという名の薄っぺらな秩序は、この剥き出しの現実の前に、一瞬で無意味な塵と化した。
私は、自分自身の肉体が内側から崩壊していくのを感じた。皮膚の下を、目に見えない光の矢が走り回り、私の遺伝子を書き換えていく。私は、彼女の隣に跪き、血と羊水と放射能にまみれたその床を、愛おしく撫でた。
窓の外では、石柩が月明かりに照らされ、巨大な墓標のように沈黙していた。しかし、その内部で燃え続ける核の残り火は、今やこの部屋に、そして私の体内に移されたのだ。
歴史の残滓は、腐敗することでしか、新しい生命を育むことができない。私は、次第に光を失っていく意識の中で、自らの腹部にも、あの湿った、暗い門戸が形成されつつあるのを感じていた。
ここは、死の土地ではない。ここは、あらゆるガイドラインを焼き払い、歴史が再び肉体を持って呼吸を始める、呪われた、しかし祝福された産屋なのだ。私は、女の冷たくなっていく手を取り、共に、次の崩壊がもたらす再構築の瞬間を待ち続けた。
- 291 名前:創る名無しに見る名無し 2026/01/25(日) 13:31:29.26 ID:v6fqyX5X
- 長文荒らしのせいで過疎ったな
- 292 名前:創る名無しに見る名無し 2026/01/27(火) 19:04:30.74 ID:O293t8m2
- 肉曼荼羅
- 293 名前:創る名無しに見る名無し 2026/01/30(金) 06:59:53.60 ID:eys0bo5e
- 女体売買
- 294 名前:創る名無しに見る名無し 2026/01/31(土) 22:40:12.75 ID:0cmxRSOS
- アナルマジック
- 295 名前:創る名無しに見る名無し 2026/02/01(日) 05:23:55.33 ID:341RiEsU
- 路地裏の湿ったコンクリートからは、常に腐った魚と安っぽい香水が混ざり合ったような臭気が立ち上っていた。ここ九龍城塞の最下層、通称「臓物街」では、倫理などというものは地上に住む聖人君子たちの戯言に過ぎない。雨音だけが、絶え間なく続く罪の音を覆い隠すように降り注いでいる。私は重たい鉄の扉を押し開け、馴染みの闇ブローカーが待つ一室へと足を踏み入れた。
今日の目的は、年に一度開催される地下オークションへの出品作を選定することにある。この街における女体売買は、単なる春をひさぐ行為とは一線を画していた。それは芸術であり、宗教であり、そして何より究極の消費財としての側面を持っていた。ブローカーの男、通称「鰐」が、黄ばんだ歯を見せて笑う。彼が指差した先には、硝子ケースの中に収められた数人の女たちがいた。彼女たちは一様に虚ろな瞳をしており、その肌は陶器のように白く、あるいは病的に青白く加工されている。ここでは人間の尊厳など、貨幣価値の前には塵芥に等しい。
「先生、今日のは極上ですよ。神経系をいじってある。痛みは快楽へ、絶望は法悦へと変換される回路が組まれてます」
鰐のセールストークを聞き流しながら、私は品定めを始めた。外見の美醜だけで値踏みをするのは素人のやり口だ。我々のような玄人が求めるのは、内側から滲み出る「業」の深さである。私は手袋をはめ、一人の女の顎を持ち上げた。脈打つ頸動脈の震え。そこに隠されたポテンシャルを見極めるため、私はある特殊な手技を用いる必要があった。
裏社会の隠語でアナルマジックと呼ばれるその秘技は、文字通りの卑猥な意味合いを超越し、脊髄の基底部に直接干渉する神経魔術の一種として恐れられている。尾骨の奥にある未開の感覚野、そこに指先から特殊な電気信号のような微細な振動を送り込むことで、対象者の脳髄に蓄積された全記憶と感覚を一瞬にしてフラッシュバックさせるのだ。それは魂の検品作業に近い。
私がその施術を行うと、女の瞳孔が急激に収縮し、口から言葉にならない賛美歌のような吐息が漏れた。彼女の脳内では今、極彩色の花火が爆ぜているのだろうか、それとも底なしの泥沼に沈んでいるのだろうか。指先を通じて伝わってくるのは、彼女がこれまでの人生で積み重ねてきた悲哀と、それを凌駕するほどの強烈な被虐の悦びだった。このアナルマジックによる選別を通過できる素材など、千人に一人もいない。彼女の肉体は、快楽の過負荷に耐えうる強靭な「器」であることを証明していた。
「悪くない。これをセンターに据えよう」
私の言葉に、鰐が満足げに頷く。取引は成立した。
数時間後、会場となる地下聖堂には、腐臭と香煙が充満していた。選ばれた数十体の肉体が、中央の円形舞台へと運ばれていく。ここからが私の仕事、すなわち「設営」の本番である。観客たちは息を呑んでその光景を見守っている。彼らが求めているのは、単なる乱交ショーではない。秩序と混沌が同居する、冒涜的なまでの美の極致だ。
私は指示を飛ばし、素材たちを配置していく。手足が絡み合い、背中と腹が密着し、皮膚と皮膚が擦れ合う音が、奇妙なリズムを刻み始める。中心には先ほどの女を配置した。彼女はアナルマジックの余韻に浸ったまま、恍惚の表情で天を仰いでいる。その周囲を、肢体を折り曲げた女たちが幾何学的な模様を描くように取り囲んでいく。白い肌、黒い髪、赤い唇。それらが渦を巻き、一つの巨大な有機的な紋様を形成する。
完成したそれは、まさに肉曼荼羅と呼ぶにふさわしい代物だった。
仏教絵画に見られるような静謐な悟りの世界ではない。そこに顕現したのは、愛欲と執着、生殖と腐敗が無限に循環する、地獄変のパノラマであった。肉曼荼羅は、まるで一つの巨大な生き物のように呼吸をしていた。汗が光を弾き、うねる筋肉の波が、見る者の平衡感覚を狂わせる。観客席からは、ため息とも悲鳴ともつかない声が漏れた。彼らはそのグロテスクな万華鏡の中に、自分自身の醜い欲望の写し鏡を見ているのだ。
中心に座る女が、ゆっくりと目を開いた。その瞳は、もはや人間のものではなかった。彼女はこの肉の宇宙の中心で、何者かの啓示を受けた巫女のように君臨している。彼女の視線が私を捉えた瞬間、私は自分が作り上げた作品に飲み込まれるような錯覚を覚えた。
終わりのない渇望。満たされることのない空虚。この肉曼荼羅こそが、我々が生きるこの街の真の姿なのだ。売買される命、弄ばれる感覚、そして積み上げられる罪の塔。その頂点で、彼女は聖母のように、あるいは悪魔のように微笑んでいた。私は震える手でタバコに火をつけたが、その煙さえも、圧倒的な肉の匂いにかき消されていくようだった。雨はまだ止まない。地下聖堂の熱気は、夜が明けるまで冷めることはないだろう。
- 296 名前:創る名無しに見る名無し 2026/02/01(日) 05:24:46.80 ID:341RiEsU
- 清き一票
全部読む
最新50
1-100
この板の主なスレッド一覧
リロード
書き込み欄