>>784
嫁との関係が進んだのはその年の忘年会。例年ならグループや課単位で行っていたのだが、その年はたまたま部全体で行う忘年会になった。
理由は部長のドクターストップ。これまではグループや課ごとに忘年会を開くと、酒好き話好きの部長はその全てに参加していた。
それは流石に身体に悪いということで、部長は主治医から酒を控えるように注意されていた。
参加した人数は約80人前後。今までにない大人数で、ホールのような会場を貸し切って行う忘年会は冠婚葬祭みたいで新鮮だった。

最初のうちはステージ上で部長や課長の挨拶があったりとかしこまった雰囲気だったが、お酒が入ると一気に雰囲気が和らいだ。
テーブル間の移動も慌ただしくなり、俺の座っていた丸テーブルにも別の課の人が話しに来たり、各々仲良しでグループを作って飲みだしたりした。
俺も仲の良い別の課の友人の所に行って飲んでたのだが、ふと近くのテーブルを見て驚いた。嫁がいた。

「何でここに来てるの?」と聞いたら嫁の所属している部署の部長と俺の部長が仲良しであること、嫁の部署は人数が少ないことから部署ごと参加を誘われたとのことだった。
嫁と話していたら、嫁の同僚がほろ酔い状態で数人寄ってきた。最初は皆で当たり障りのない雑談をしていたが、やがて俺そっちのけで恋バナで盛り上がり始めた。(先輩の誰々さんがカッコいいとか、リーダーの誰々さんの奥さんとの馴れ初め話とか)
女の子達が盛り上がってる所に男が首突っ込むもんじゃないなと思い、立ち去ろうとしたら、嫁は「私、俺さんと手が重なったんだよ!」とカミングアウトし出した。
俺は恥ずかしくなって経緯を説明したが、嫁の同僚達は「片付けなんて女子力高いねぇw」みたいに囃し立ててきた。
そしたら嫁が更に「しかも私の手の上に俺さんの手が乗っかってきたもんねー!」と新たな爆弾を投下してきた。
おかしい、俺の記憶では、俺の手の上に嫁さんの手が乗っていたはず。
だが普段から俺と嫁の雑談を見ていた同僚達は、酒の勢いもあって「脈あるんじゃない?ww」とかニヤニヤしながら揶揄ってきた。
俺は四方八方から囃し立てられてもうタジタジだったが、このやり取りの中で今の嫁が彼氏のいないフリーであることが分かり、更に嫁のLINEを入手することに成功した。