「アダム爆弾の怪」

アダムという男が「新型爆弾を開発したので実験をしたい」とイギリスの軍関係者に相談してきた。
軍関係者は数平方キロの演習場を提示したところ
「あそこでは狭すぎる」とアダムが拒否したため、軍は
「そんな威力の爆弾があるはずはない」とアダムを狂人扱いし帰してしまった。
しかしその後、アダムは廃村一個分を買い取り、何やらせっせと地下工事をしはじめた。
怪しんだ軍部は秘密情報部に身辺を調査させた結果、「E=mc^2」とアダムが書いたメモが手に入った。
こうして秘密情報部に勤めているシュロック・ホームズの兄からシュロック・ホームズにアダムが悪事を働いていないか調べてほしいという依頼が来た。
ホームズはEは脱走、mc^2はMcPowers(累乗はPowerとも読む)という意味だと考察し、
廃村の近くにMcPowersという死刑間近の死刑囚がいることから地下に脱出用のトンネルを掘っているのではないかと推理。
そこでホームズが夜中に助手のワトニイと廃村に忍び込んでみたところ、地下にサイクロトロンと書かれた装置を発見。
おそらく高性能な自転車(サイクル)のことだろうと考えたホームズはこっそり配線を逆にし装置が誤作動するようにし帰還した。

翌日ホームズがワトニイに新聞になにか事件が載ってないか訊いたところ
ワトニイ「ああ失踪事件があったようだ。」
ホームズ「なんだって!僕がサイクロトロンに細工したというのにMcPowersが逃げ出したのか?」
ワトニイ「いや、McPowersは処刑されたよ。
ただあの廃村を含む州まるごとが失踪しちゃったんだ。」
ホームズ「なあんだ、警察も州一個分を探せないほど能無しじゃないから僕の出番はないなあ」