探検
「葬送のフリーレン」で二次創作
2024/05/24(金) 10:41:26.13ID:RHEKLvRk
立ててみた
150
「そんなこと、言わないで」。リーニエちゃんの声、心なしかイライラしとる。「それより水差しをお持ちしましょうか? ワイ様」
「大丈夫やで。あんがとな、リーニエちゃん。君ももう、寝たらええ。君がワイの嫁になってくれて、ワイは幸福そのものやった―――」
照れくさくなりつつそう答えた直後にワイの心臓が脈を打つのを止めて、視界を闇のとばりが包む。ワイは大往生を遂げたんや
「そんなこと、言わないで」。リーニエちゃんの声、心なしかイライラしとる。「それより水差しをお持ちしましょうか? ワイ様」
「大丈夫やで。あんがとな、リーニエちゃん。君ももう、寝たらええ。君がワイの嫁になってくれて、ワイは幸福そのものやった―――」
照れくさくなりつつそう答えた直後にワイの心臓が脈を打つのを止めて、視界を闇のとばりが包む。ワイは大往生を遂げたんや
151
勇者ヒンメルの死から96年後にして、グラナト伯爵領の名士ワイが死んで半年を僅かに過ぎたある日―――
大きなトランクカバンを手に下げたエルフの魔法使いが、グラナト伯爵領に向かう道を歩いていた
「この辺りもすっかり舗装されているね。アウラが死んで、ずいぶんと発展したようだ…」
「しかし85歳の身には、たとえ舗装路でも長旅は堪えますね。いまだに徒歩で旅できるフリーレン様が、羨ましいです」
そう答える声は、馬二頭に前後を支えられた輿の中から発されている。老いたフェルンの声だった
先頭の馬のくつわをとる従卒装束の男はだいぶ白髪が多めながら赤毛の男、60絡みの初老ながら体格も顔立ちも立派な男だったが、そんな声に痛ましげな顔でこう応じた
「母さん、見えてきたよ。グラナト伯爵領の街並みが…」
勇者ヒンメルの死から96年後にして、グラナト伯爵領の名士ワイが死んで半年を僅かに過ぎたある日―――
大きなトランクカバンを手に下げたエルフの魔法使いが、グラナト伯爵領に向かう道を歩いていた
「この辺りもすっかり舗装されているね。アウラが死んで、ずいぶんと発展したようだ…」
「しかし85歳の身には、たとえ舗装路でも長旅は堪えますね。いまだに徒歩で旅できるフリーレン様が、羨ましいです」
そう答える声は、馬二頭に前後を支えられた輿の中から発されている。老いたフェルンの声だった
先頭の馬のくつわをとる従卒装束の男はだいぶ白髪が多めながら赤毛の男、60絡みの初老ながら体格も顔立ちも立派な男だったが、そんな声に痛ましげな顔でこう応じた
「母さん、見えてきたよ。グラナト伯爵領の街並みが…」
152
すっかり拡張されたグラナト伯爵領の街並みに入ったフリーレンは、少なからず感慨深げであった
「舗装路のいたるところに、下水道の地下水路用マンホールがあるね。品質が均整で密閉されているから、悪臭も漏れない
どうやらワイの土木会社は、良い仕事をしている…」
「フリーレン様。市内観光は後にして、はやくワイ家のお屋敷に参りましょう。輿に揺られるのももう、限界です」
「衰えたねフェルン…馬車すら『老いた身に応える』というから、君の息子は大枚をはたいて馬用の屋形輿を用意したのに…」
「いえ、お金の方はご心配なく…」と、初老の従卒。「母はほんらい、亡き養父ハイター様の庵で臨終を迎える予定だったのですが―――」
すっかり拡張されたグラナト伯爵領の街並みに入ったフリーレンは、少なからず感慨深げであった
「舗装路のいたるところに、下水道の地下水路用マンホールがあるね。品質が均整で密閉されているから、悪臭も漏れない
どうやらワイの土木会社は、良い仕事をしている…」
「フリーレン様。市内観光は後にして、はやくワイ家のお屋敷に参りましょう。輿に揺られるのももう、限界です」
「衰えたねフェルン…馬車すら『老いた身に応える』というから、君の息子は大枚をはたいて馬用の屋形輿を用意したのに…」
「いえ、お金の方はご心配なく…」と、初老の従卒。「母はほんらい、亡き養父ハイター様の庵で臨終を迎える予定だったのですが―――」
153
「ワイ様が私より先に逝った以上、墓参りせずしては死ねません…」
輿の窓から漏れ聞こえてくる声は、弱弱しく息切れまじりではあったが決意がみなぎっていた
フェルンを乗せた輿がワイ家の前にたどり着いたのは、町に入ってから十分後のことである
「噂には聞いていたがこれはまた、結構な造りのお屋敷だ」と、フリーレン
従卒がふくろうの意匠をあつらえた真鍮製のドアノッカーをノックすると、ほどなくして十代後半とおぼしきメイドがドアを半ば開けて顔を出す
「どちら様でございますか?」
「『フリーレンたちが、半年前に急逝したダンナの墓参りに来た』と、奥さんに伝えてくれ。すでに手紙では知らせてある」
フリーレンがそう言うなりメイドはうなずき、踵を返した
「ワイ様が私より先に逝った以上、墓参りせずしては死ねません…」
輿の窓から漏れ聞こえてくる声は、弱弱しく息切れまじりではあったが決意がみなぎっていた
フェルンを乗せた輿がワイ家の前にたどり着いたのは、町に入ってから十分後のことである
「噂には聞いていたがこれはまた、結構な造りのお屋敷だ」と、フリーレン
従卒がふくろうの意匠をあつらえた真鍮製のドアノッカーをノックすると、ほどなくして十代後半とおぼしきメイドがドアを半ば開けて顔を出す
「どちら様でございますか?」
「『フリーレンたちが、半年前に急逝したダンナの墓参りに来た』と、奥さんに伝えてくれ。すでに手紙では知らせてある」
フリーレンがそう言うなりメイドはうなずき、踵を返した
154
数分後…屋内に案内されたフリーレンたちは、リーニエ自らの給仕による喫茶を楽しんでいた
「もうかれこれ68年になるのか…魔族だけあって、出会った時とまるで変わらないねリーニエ。十七歳でも、じゅうぶん通じるよ」
屋敷の中庭で初秋の木漏れ日を浴びながら、冷えた香ばしい果汁を一口飲んで、フリーレンは言う
「フリーレンも同じでしょ…」と、リーニエ。反感はないにせよ、その態度は素っ気ない
彼女は既に、黒い喪服に身を包んでいた。とはいえその表情から喜怒哀楽は、まったく見えない
「不愛想なところまで相変わらずか。それでもワイや町の住人相手には、ちょっとは愛想笑いできるようになっていたようなのに」
数分後…屋内に案内されたフリーレンたちは、リーニエ自らの給仕による喫茶を楽しんでいた
「もうかれこれ68年になるのか…魔族だけあって、出会った時とまるで変わらないねリーニエ。十七歳でも、じゅうぶん通じるよ」
屋敷の中庭で初秋の木漏れ日を浴びながら、冷えた香ばしい果汁を一口飲んで、フリーレンは言う
「フリーレンも同じでしょ…」と、リーニエ。反感はないにせよ、その態度は素っ気ない
彼女は既に、黒い喪服に身を包んでいた。とはいえその表情から喜怒哀楽は、まったく見えない
「不愛想なところまで相変わらずか。それでもワイや町の住人相手には、ちょっとは愛想笑いできるようになっていたようなのに」
155
「もう、その必要も無くなりました…」
リーニエはテーブル上のフルーツを盛られた鉢から林檎を手に取り、しゃくしゃく齧りはじめる。「今の私、未亡人ですんで。墓前に顔出すとき以外は、引きこもるだけ」
「でも、まるで元気ねリーニエ。ほんとうに羨ましい。姿も私がワイと別れた時のまま、十代の小娘だ。人間の私はこの旅で、体力を使い切ったみたいなのに―――」
かつての輝く長い黒髪にかわって、短く整えた白髪。皺だらけの顔や手…フェルンはもはや、死ぬ直前のワイ以上の老衰ぶりだった。ティーカップを持つ手も、中身をこぼしかねないほど震えている
クッションを敷きつめ、半ば寝るほど背もたれに傾斜をつけた座席を備え付けた特製輿での、ゆっくりした移動だったにもかかわらず。長旅がフェルンの老いた肉体にもたらした負担は、相当なものだったようだ
静かに座っているだけでも息苦しげな、老いた弟子をそっと横目にしつつ。フリーレンの胸にはいつもの寂寥が浸食している。師匠フランメ、相棒ヒンメルに続き、弟子のフェルンもか…
みんな私よりはるかに年下なのに私を追い越して年を取り、そして此の世を去っていく…
いっぽう「思い出話の仲間外れ組」である初老の従卒だけが、三人の会話に奇妙そうな顔つきである。「あの…母さん、こちらがリーニエさん、ですよね?」
「もう、その必要も無くなりました…」
リーニエはテーブル上のフルーツを盛られた鉢から林檎を手に取り、しゃくしゃく齧りはじめる。「今の私、未亡人ですんで。墓前に顔出すとき以外は、引きこもるだけ」
「でも、まるで元気ねリーニエ。ほんとうに羨ましい。姿も私がワイと別れた時のまま、十代の小娘だ。人間の私はこの旅で、体力を使い切ったみたいなのに―――」
かつての輝く長い黒髪にかわって、短く整えた白髪。皺だらけの顔や手…フェルンはもはや、死ぬ直前のワイ以上の老衰ぶりだった。ティーカップを持つ手も、中身をこぼしかねないほど震えている
クッションを敷きつめ、半ば寝るほど背もたれに傾斜をつけた座席を備え付けた特製輿での、ゆっくりした移動だったにもかかわらず。長旅がフェルンの老いた肉体にもたらした負担は、相当なものだったようだ
静かに座っているだけでも息苦しげな、老いた弟子をそっと横目にしつつ。フリーレンの胸にはいつもの寂寥が浸食している。師匠フランメ、相棒ヒンメルに続き、弟子のフェルンもか…
みんな私よりはるかに年下なのに私を追い越して年を取り、そして此の世を去っていく…
いっぽう「思い出話の仲間外れ組」である初老の従卒だけが、三人の会話に奇妙そうな顔つきである。「あの…母さん、こちらがリーニエさん、ですよね?」
156
彼の眼には、お茶会のホステスを務めるリーニエはなるほど林檎をかじるほど歯が丈夫だが、母フェルンとおなじ80絡みの老嬢にしか見えなかった
「十代の小娘」という形容は、いかに社交辞令でも嫌みであろう。だがフリーレンがはっとして、軽く指先に青白い燐光を光らせる
「気が利かなくて済まない。認識疎外魔法を見透かす魔法を、君にかけておくのを忘れていたよ―――ほら。これでどうだい?」
果たして彼の目にも、リーニエと名乗る喪服姿の痩せた老婆は、たちまち16、7の可憐な少女に…ただし角の生えた魔族の娘に変貌していたのである
「…こりゃ驚いた!」。思わず従卒は、不躾に口笛を吹いていた。「なるほど、角がある。魔族の女だ」
「君は、フェルンの息子だね?」と、リーニエが従卒に尋ねる
「はい、シュタルクと申します。今年67才になります」
彼の眼には、お茶会のホステスを務めるリーニエはなるほど林檎をかじるほど歯が丈夫だが、母フェルンとおなじ80絡みの老嬢にしか見えなかった
「十代の小娘」という形容は、いかに社交辞令でも嫌みであろう。だがフリーレンがはっとして、軽く指先に青白い燐光を光らせる
「気が利かなくて済まない。認識疎外魔法を見透かす魔法を、君にかけておくのを忘れていたよ―――ほら。これでどうだい?」
果たして彼の目にも、リーニエと名乗る喪服姿の痩せた老婆は、たちまち16、7の可憐な少女に…ただし角の生えた魔族の娘に変貌していたのである
「…こりゃ驚いた!」。思わず従卒は、不躾に口笛を吹いていた。「なるほど、角がある。魔族の女だ」
「君は、フェルンの息子だね?」と、リーニエが従卒に尋ねる
「はい、シュタルクと申します。今年67才になります」
157
「シュタルクか…良い名だね。それにお母さんに似て、なかなかの美形だ」
リーニエの言葉は無感情だったが素っ気ない分、まんざら世辞でもないようだった。その証拠に「まあ、人間の年齢相応に肉がついては、いるけれど…」と、欠点の指摘も忘れない
「ははは。実は六つをかしらにもう三人の孫を授かっている身でしてね。名実ともに、じじいですよ」
「ところで、暫くシュタルクは席を外してくれないか? 今日は昔を知るもの同士の、他聞をはばかる話もあってね」
フリーレンがそういうと、シュタルクは頷いて席を立つ。すかさずリーニエが卓上の鈴を鳴らしてメイドを呼び、シュタルクを客間に通すよう命じる
(あの赤髪…そして体つき…ひょっとして?)
そのときリーニエは去っていくシュタルクの背中を見送りながら何事かを察したようだったが、声には出さなかった
「シュタルクか…良い名だね。それにお母さんに似て、なかなかの美形だ」
リーニエの言葉は無感情だったが素っ気ない分、まんざら世辞でもないようだった。その証拠に「まあ、人間の年齢相応に肉がついては、いるけれど…」と、欠点の指摘も忘れない
「ははは。実は六つをかしらにもう三人の孫を授かっている身でしてね。名実ともに、じじいですよ」
「ところで、暫くシュタルクは席を外してくれないか? 今日は昔を知るもの同士の、他聞をはばかる話もあってね」
フリーレンがそういうと、シュタルクは頷いて席を立つ。すかさずリーニエが卓上の鈴を鳴らしてメイドを呼び、シュタルクを客間に通すよう命じる
(あの赤髪…そして体つき…ひょっとして?)
そのときリーニエは去っていくシュタルクの背中を見送りながら何事かを察したようだったが、声には出さなかった
158
「さて、単刀直入に言おう」とフリーレンが、性急に切り出す
「リーニエ。君は何か、これからの余生でしたいことがあるか?」
「特に何も…」と、リーニエ。「ワイ様の遺言は、手紙でお伝えしたとおりです。『自分の死後はフリーレン様を頼り、彼女と共に生きるように』、と…」
「ふむ。やはり天秤によるワイの拘束は、彼の死後も有効か」と、フリーレン。「じゃあ安心だな。この町を離れるんだ、リーニエ。私と一緒に来るがいい」
リーニエはこくりとうなずいたが、その後すぐ小首をかしげた。「今すぐ、というわけではないですよね?」
「さて、単刀直入に言おう」とフリーレンが、性急に切り出す
「リーニエ。君は何か、これからの余生でしたいことがあるか?」
「特に何も…」と、リーニエ。「ワイ様の遺言は、手紙でお伝えしたとおりです。『自分の死後はフリーレン様を頼り、彼女と共に生きるように』、と…」
「ふむ。やはり天秤によるワイの拘束は、彼の死後も有効か」と、フリーレン。「じゃあ安心だな。この町を離れるんだ、リーニエ。私と一緒に来るがいい」
リーニエはこくりとうなずいたが、その後すぐ小首をかしげた。「今すぐ、というわけではないですよね?」
159
「そうだね。でも、そう長くは待たないよ。認識疎外魔法で人間を偽るにしても、人間の寿命はせいぜい百年ちょっとだ」
「じゃあ、怪しまれずに暮らせるのに、まだ20年かそこらはありそうね」。リーニエは、呟くように言う。「私ももうしばらくこの屋敷で、ワイ様の想い出に浸っていたいし」
「でもあいにく20年なんて待ちませんよ。たぶんあと数か月…長くても、一年はかからないはずだわ」。息苦しそうな声で、フェルンが割って入る
リーニエは無表情のまま、フェルンの皺深く老いた顔を見つめた。彼女との再会も、かれこれ70年近くぶりのことになる
思えばかつての強敵も、ずいぶんと衰えたものだ…とはいえリーニエは彼女の態度の端々に、不可解な余裕じみたものも感じていた
「そうだね。でも、そう長くは待たないよ。認識疎外魔法で人間を偽るにしても、人間の寿命はせいぜい百年ちょっとだ」
「じゃあ、怪しまれずに暮らせるのに、まだ20年かそこらはありそうね」。リーニエは、呟くように言う。「私ももうしばらくこの屋敷で、ワイ様の想い出に浸っていたいし」
「でもあいにく20年なんて待ちませんよ。たぶんあと数か月…長くても、一年はかからないはずだわ」。息苦しそうな声で、フェルンが割って入る
リーニエは無表情のまま、フェルンの皺深く老いた顔を見つめた。彼女との再会も、かれこれ70年近くぶりのことになる
思えばかつての強敵も、ずいぶんと衰えたものだ…とはいえリーニエは彼女の態度の端々に、不可解な余裕じみたものも感じていた
160
「リーニエ。あなたのお屋敷を、私の終の棲家にさせてもらいたいの。たぶん私の余命は、あと半年も残っていない。回復魔法の名僧もさじを投げているわ」
「…ワイ様の死んだお屋敷で、あなたも臨終を迎えたい。そういうこと?」
「そうよリーニエ。貴女は私に、借りがある…忘れてはいないわよね」
リーニエは目を逸らしつつ、いくぶん悔しそうにうなずく
「貴女の力ぞえが無ければ、私がワイ様の愛をつなぎ留めることができたかどうか、確信は持てない…それは認めるけど…」
「私がどうして貴女に力添えしたのか、理由は察しているわよね。魔族とはいえ私と同じ、女なのだから―――」
フリーレンが果汁を飲み干す前までに、リーニエはフェルンの申し出を承諾していた
「リーニエ。あなたのお屋敷を、私の終の棲家にさせてもらいたいの。たぶん私の余命は、あと半年も残っていない。回復魔法の名僧もさじを投げているわ」
「…ワイ様の死んだお屋敷で、あなたも臨終を迎えたい。そういうこと?」
「そうよリーニエ。貴女は私に、借りがある…忘れてはいないわよね」
リーニエは目を逸らしつつ、いくぶん悔しそうにうなずく
「貴女の力ぞえが無ければ、私がワイ様の愛をつなぎ留めることができたかどうか、確信は持てない…それは認めるけど…」
「私がどうして貴女に力添えしたのか、理由は察しているわよね。魔族とはいえ私と同じ、女なのだから―――」
フリーレンが果汁を飲み干す前までに、リーニエはフェルンの申し出を承諾していた
161
(そうだ…68年前の借りは、確かにある。返す時が来たんだ)
―――魔族の貴女が人間の男であるワイ様を、夜の営みで満たしてあげることは出来ない…貴女もワイ様も知らないようだけど、子をなすこともありえない。結局あなたとワイ様は、不幸な破局を迎えるしかない…
(あの時そういいながら彼女は、服を脱いで全裸になった。そして私を軽くハグしながら、耳元に囁いたんだ。“自分の体内の魔力を読みとれ”、と)
―――私なら…私なら絶対に、ワイ様を満足させられるわ。自信があるの。だから貴女に、私を“模倣”させてあげる。彼をつなぎ留めたいのなら受け取りなさい、リーニエ…
(そうだ…68年前の借りは、確かにある。返す時が来たんだ)
―――魔族の貴女が人間の男であるワイ様を、夜の営みで満たしてあげることは出来ない…貴女もワイ様も知らないようだけど、子をなすこともありえない。結局あなたとワイ様は、不幸な破局を迎えるしかない…
(あの時そういいながら彼女は、服を脱いで全裸になった。そして私を軽くハグしながら、耳元に囁いたんだ。“自分の体内の魔力を読みとれ”、と)
―――私なら…私なら絶対に、ワイ様を満足させられるわ。自信があるの。だから貴女に、私を“模倣”させてあげる。彼をつなぎ留めたいのなら受け取りなさい、リーニエ…
162
(彼女の魂胆を胡散臭くかつ不快、なにより不可解に思わなかったと言えば嘘になる。でも、私はワイ様のしもべ。その立場を不思議と、続けていきたいと願っていた。だから、拒む理由は無かった…)
果たしてその夜。“私の中のフェルン”を抱いたワイ様の、歓喜と感激。それに伴う私への、いっそう献身的なワイ様の愛情。それは間違いなく、自分が得た「不当な」報酬…
加えて料理のスキルをはじめとする、人間の主婦が持つべきさまざまな知識やスキルも、リーニエはフェルンから受け取ったのだ
なればこそ。今になってフェルンがリーニエに突きつけに来た「請求書」の額面も、安くはないが見合うものには違いないのだった…
―――生前のワイ様は貴女のものよ、リーニエ。だからせめて死後のワイ様に寄り添う役目は、私に務めさせて―――
(彼女の魂胆を胡散臭くかつ不快、なにより不可解に思わなかったと言えば嘘になる。でも、私はワイ様のしもべ。その立場を不思議と、続けていきたいと願っていた。だから、拒む理由は無かった…)
果たしてその夜。“私の中のフェルン”を抱いたワイ様の、歓喜と感激。それに伴う私への、いっそう献身的なワイ様の愛情。それは間違いなく、自分が得た「不当な」報酬…
加えて料理のスキルをはじめとする、人間の主婦が持つべきさまざまな知識やスキルも、リーニエはフェルンから受け取ったのだ
なればこそ。今になってフェルンがリーニエに突きつけに来た「請求書」の額面も、安くはないが見合うものには違いないのだった…
―――生前のワイ様は貴女のものよ、リーニエ。だからせめて死後のワイ様に寄り添う役目は、私に務めさせて―――
184創る名無しに見る名無し
2024/05/31(金) 23:41:45.64ID:3nBnSDm/ 8回目はここまでです。なお、次回で最終回。ハプニングが無ければ、明日も22〜24時くらいに投稿します
163
フェルンが故ワイの屋敷に居候しはじめてから、ちょうど半年に届く七日前…
故人ワイの配偶者にして遺産相続人リーニエ未亡人の訃報が、グラナト伯爵領内を駆け巡った
「故ワイさまの奥方様が、身罷られたそうだ。それもよりによって、ワイ様の一周忌とおなじ日に…!」
さっそくワイの後継者となった養子の息子、伯の妃となった養子の娘が一家総出で、ワイ家に集まる
「ついこの前まで、かくしゃくとしていらっしゃったのに、何故…?」
「先代様を亡くして、奥方様も命数が尽き果てたのかもしれんね。先代様の後を、追われたのでしょう」
フェルンが故ワイの屋敷に居候しはじめてから、ちょうど半年に届く七日前…
故人ワイの配偶者にして遺産相続人リーニエ未亡人の訃報が、グラナト伯爵領内を駆け巡った
「故ワイさまの奥方様が、身罷られたそうだ。それもよりによって、ワイ様の一周忌とおなじ日に…!」
さっそくワイの後継者となった養子の息子、伯の妃となった養子の娘が一家総出で、ワイ家に集まる
「ついこの前まで、かくしゃくとしていらっしゃったのに、何故…?」
「先代様を亡くして、奥方様も命数が尽き果てたのかもしれんね。先代様の後を、追われたのでしょう」
164
故人の遺志により、葬儀はごく近しい親族だけの手による、きわめてしめやかかつ簡潔なものとなった
それでも伯爵領内きっての素封家リーニエ夫人の棺は贅を尽くしたものであり、喪主である養子兄妹の心配りが随所にみられる仕切り具合ではあった
故人の遺志にもとづき、棺は亡夫であるワイの隣に納められた。ただし兄妹は葬儀を終えた後で、妙な表情を浮かべつつ語らいあったのだ
「なあ。俺たちが納棺した遺体、確かに養母(かあ)さんのものだったよな?」
「…兄さんも、おかしいと思った? 気のせいだと思ってたんだけど…体格とか肉付きとかがなんだか、ちょっと大きめだったよね」
「顔立ちは間違いなく養母さんだったし、他の人らは気づいたふうでも無かったが…遺体が水膨れでも、していたのかな?」
故人の遺志により、葬儀はごく近しい親族だけの手による、きわめてしめやかかつ簡潔なものとなった
それでも伯爵領内きっての素封家リーニエ夫人の棺は贅を尽くしたものであり、喪主である養子兄妹の心配りが随所にみられる仕切り具合ではあった
故人の遺志にもとづき、棺は亡夫であるワイの隣に納められた。ただし兄妹は葬儀を終えた後で、妙な表情を浮かべつつ語らいあったのだ
「なあ。俺たちが納棺した遺体、確かに養母(かあ)さんのものだったよな?」
「…兄さんも、おかしいと思った? 気のせいだと思ってたんだけど…体格とか肉付きとかがなんだか、ちょっと大きめだったよね」
「顔立ちは間違いなく養母さんだったし、他の人らは気づいたふうでも無かったが…遺体が水膨れでも、していたのかな?」
165
それに―――養母の遺体が古ぼけた、見るからに安物の赤いネックレスを着けていたことも、些細なことかもしれないが養子兄妹には気になる点だった
わざわざ故人の遺志で着けているほどお気に入りの装身具にしては、生前のリーニエ養母さんがそれを着けた姿を、見た覚えが無いのである
しかし二人はそこで話題を変えてしまい、それ以上に疑惑を追及することはやめた
どのみち葬送は終わったのだ。すでにかれら遺族の関心は財産分与を、つまらぬ亀裂のもとにならぬよう注意深く進めることに傾いていた
それに―――養母の遺体が古ぼけた、見るからに安物の赤いネックレスを着けていたことも、些細なことかもしれないが養子兄妹には気になる点だった
わざわざ故人の遺志で着けているほどお気に入りの装身具にしては、生前のリーニエ養母さんがそれを着けた姿を、見た覚えが無いのである
しかし二人はそこで話題を変えてしまい、それ以上に疑惑を追及することはやめた
どのみち葬送は終わったのだ。すでにかれら遺族の関心は財産分与を、つまらぬ亀裂のもとにならぬよう注意深く進めることに傾いていた
166
「養母さんの屋敷は当面、おれたち兄妹の共同で管理するとして…」と、兄。
「そういえば屋敷に逗留していたフリーレンとかいう客人の一行は、今どこにいるんだ? 葬儀には、参列していたばずだが」
「間が悪くて兄さんには挨拶できずじまいだったけど、納棺に立ち会ったあとすぐ屋敷を出立したわ。兄さんによろしく、と言ってた…」と、妹
「死んだ父さんの旧知で町の恩人だと聞くけれど、それにしてもやけに長逗留だったみたいね」
「ふうん」。兄は腕を組む。「一行の一人でフェルンとかいう老女は、着くなり寝たきりだったと屋敷の使用人が言ってたな。彼女も引き払ったのか?」
「ええ。でも出発の時はひどく元気で、自分の足で歩いていたわ」
「養母さんの屋敷は当面、おれたち兄妹の共同で管理するとして…」と、兄。
「そういえば屋敷に逗留していたフリーレンとかいう客人の一行は、今どこにいるんだ? 葬儀には、参列していたばずだが」
「間が悪くて兄さんには挨拶できずじまいだったけど、納棺に立ち会ったあとすぐ屋敷を出立したわ。兄さんによろしく、と言ってた…」と、妹
「死んだ父さんの旧知で町の恩人だと聞くけれど、それにしてもやけに長逗留だったみたいね」
「ふうん」。兄は腕を組む。「一行の一人でフェルンとかいう老女は、着くなり寝たきりだったと屋敷の使用人が言ってたな。彼女も引き払ったのか?」
「ええ。でも出発の時はひどく元気で、自分の足で歩いていたわ」
167
兄の中で、いっそう違和感が強くなった。それは名状しがたい疑念と不安も含んでいた。だがワイ家新当主の彼には、他にも考えるべき俗事が多すぎた
ゆえに養母リーニエの客人たちに関しても兄は、それ以上考えるのを止めたのである
勇者ヒンメルの死から97年後にして、グラナト伯爵領の名士ワイが死んで一年―――
リーニエ未亡人の葬儀から解放され、すっかり規模の大きくなった伯爵領の都城を背に、フリーレン一行は進んでいく
伯爵領を訪問したときには、寝たきりの老いた半病人を乗せた輿馬を揺らさぬようゆっくりした歩みであったが、今は初老ながら頑健なシュタルクが、荷馬一頭を曳くだけだ
つれのフリーレンともう一人、ツインテールをした女は、ともに見た目が年頃の少女である。女ながら肉体の若さに任せ、しっかりした足取りで歩を進めている
兄の中で、いっそう違和感が強くなった。それは名状しがたい疑念と不安も含んでいた。だがワイ家新当主の彼には、他にも考えるべき俗事が多すぎた
ゆえに養母リーニエの客人たちに関しても兄は、それ以上考えるのを止めたのである
勇者ヒンメルの死から97年後にして、グラナト伯爵領の名士ワイが死んで一年―――
リーニエ未亡人の葬儀から解放され、すっかり規模の大きくなった伯爵領の都城を背に、フリーレン一行は進んでいく
伯爵領を訪問したときには、寝たきりの老いた半病人を乗せた輿馬を揺らさぬようゆっくりした歩みであったが、今は初老ながら頑健なシュタルクが、荷馬一頭を曳くだけだ
つれのフリーレンともう一人、ツインテールをした女は、ともに見た目が年頃の少女である。女ながら肉体の若さに任せ、しっかりした足取りで歩を進めている
168
「シュタルク…」。ふいにツインテールの娘が、連れに声をかける。「母親とはあんな別れ方で、本当に良かったの?」
「本人が望んだことですから」とシュタルク、妙に素っ気ない。「俺の認識阻害魔法でリーニエさんになりすまし、ワイ家の墓に納まるのが亡母の願いでした」
「完璧とまではいかなかったが、バレずに済んでまずは上出来だな。母さんもあの世で得意だろう。それに…」とフリーレン、そこでツインテールの娘の方に視線を向ける
「結果としてお前も怪しまれることなく、グラナト伯爵領から抜け出せたというわけだ、リーニエ。
お前にはフェルンの死後ただちに、老いたフェルンに見えるように認識阻害魔法をかけておいたが、それも解除しておくとしよう…他人には、角が見えないだけにする。これで自由の身というわけだ」
「シュタルク…」。ふいにツインテールの娘が、連れに声をかける。「母親とはあんな別れ方で、本当に良かったの?」
「本人が望んだことですから」とシュタルク、妙に素っ気ない。「俺の認識阻害魔法でリーニエさんになりすまし、ワイ家の墓に納まるのが亡母の願いでした」
「完璧とまではいかなかったが、バレずに済んでまずは上出来だな。母さんもあの世で得意だろう。それに…」とフリーレン、そこでツインテールの娘の方に視線を向ける
「結果としてお前も怪しまれることなく、グラナト伯爵領から抜け出せたというわけだ、リーニエ。
お前にはフェルンの死後ただちに、老いたフェルンに見えるように認識阻害魔法をかけておいたが、それも解除しておくとしよう…他人には、角が見えないだけにする。これで自由の身というわけだ」
169
だが認識疎外魔法を更新されている間にもリーニエは特にフリーレンに注意を向けるでもなく、ひたすらシュタルクを見つめていたのである
もはや町の人間の耳目を案じずともよい無人の林道に在って、ようやく問いたいことが問えるぞと言わんばかりの、じりじりしている風情であった
リーニエの視線に、いやでも気が付くシュタルク。「どうかしましたか? 何か俺に、聞きたいことでも?」
リーニエがついに口を開く
「フェルンが死ぬまでは敢えて遠慮していたが、やはりどうしても聞きたい。フェルンの息子シュタルクよ、あなたの父親は誰? 存命している?」
「さ、さあねぇ…母は俺を身一つで育ててたんで、父親の顔は知りません。俺も母さえいれば、十分だったし…」
そう応じるシュタルクの声は気まずそうというも、どこかぎこちない
「じゃあ、父親の名も知らないんだ」
「手がかりは、あるといえばあるんです」。そういいつつ、シュタルクはふと右手をかざした。その小指に、指輪が鈍く光る
だが認識疎外魔法を更新されている間にもリーニエは特にフリーレンに注意を向けるでもなく、ひたすらシュタルクを見つめていたのである
もはや町の人間の耳目を案じずともよい無人の林道に在って、ようやく問いたいことが問えるぞと言わんばかりの、じりじりしている風情であった
リーニエの視線に、いやでも気が付くシュタルク。「どうかしましたか? 何か俺に、聞きたいことでも?」
リーニエがついに口を開く
「フェルンが死ぬまでは敢えて遠慮していたが、やはりどうしても聞きたい。フェルンの息子シュタルクよ、あなたの父親は誰? 存命している?」
「さ、さあねぇ…母は俺を身一つで育ててたんで、父親の顔は知りません。俺も母さえいれば、十分だったし…」
そう応じるシュタルクの声は気まずそうというも、どこかぎこちない
「じゃあ、父親の名も知らないんだ」
「手がかりは、あるといえばあるんです」。そういいつつ、シュタルクはふと右手をかざした。その小指に、指輪が鈍く光る
170
「これ。もうすっかり古びていますけど、母の魔法が込められた形見でね。俺の父親との想い出が、ぜんぶ封じてあるそうです…
生前の母は『自分の口からお前の父についてあれこれ言いたくないが、黙秘するつもりもない。知りたければ、これを使え』と、言ってました」
「シュタルクは母からひと通り魔法の手ほどきを受けているから、解読呪文を詠唱すれば指輪から記憶情報を得ることができるはずさ」と、フリーレンが割って入る
「でもそれをやったこと、ないんです」と、シュタルク。「父親が、他の女と結婚したってことだけは聞いてるもんでね。その気になれなかった。それに…」
「これ。もうすっかり古びていますけど、母の魔法が込められた形見でね。俺の父親との想い出が、ぜんぶ封じてあるそうです…
生前の母は『自分の口からお前の父についてあれこれ言いたくないが、黙秘するつもりもない。知りたければ、これを使え』と、言ってました」
「シュタルクは母からひと通り魔法の手ほどきを受けているから、解読呪文を詠唱すれば指輪から記憶情報を得ることができるはずさ」と、フリーレンが割って入る
「でもそれをやったこと、ないんです」と、シュタルク。「父親が、他の女と結婚したってことだけは聞いてるもんでね。その気になれなかった。それに…」
171
「それに『今回の旅とフェルンが埋葬された場所を見れば、おのずと答えは一つしかない』…そうだよね?」
「ええ、そうですともリーニエさん。貴女にとっても、決して愉快な話じゃないことは分かっていますけどね。でも―――」
「させない…」
「え?」
シュタルクとフリーレンが驚いてリーニエを見つめる。リーニエの手に、白い魔力の光が宿っていた
「そのピンキーリングは、ワイ様がしていたものとおなじものだ。あの女は…フェルンは…」
リーニエの放った光弾が、シュタルクに向けて飛ぶ。閃光に驚いた荷馬が嘶いて走り去り、衝撃波に驚いた隕鉄鳥のつがいが、木の枝から飛びたっていく
「それに『今回の旅とフェルンが埋葬された場所を見れば、おのずと答えは一つしかない』…そうだよね?」
「ええ、そうですともリーニエさん。貴女にとっても、決して愉快な話じゃないことは分かっていますけどね。でも―――」
「させない…」
「え?」
シュタルクとフリーレンが驚いてリーニエを見つめる。リーニエの手に、白い魔力の光が宿っていた
「そのピンキーリングは、ワイ様がしていたものとおなじものだ。あの女は…フェルンは…」
リーニエの放った光弾が、シュタルクに向けて飛ぶ。閃光に驚いた荷馬が嘶いて走り去り、衝撃波に驚いた隕鉄鳥のつがいが、木の枝から飛びたっていく
172
シュタルクが恐る恐る目を開ける。彼の身には傷一つない。ただ、さっきまで小指にはめていたピンキーリングは跡形も無く消滅していた
「フェルンは、想い出だけをその指輪に込めたのではない…!」
リーニエは自分でも驚くほど激しく、声を荒げていた。「同じ指輪をはめた男の精を、受胎できるように魔力で小細工をしていたんだ!」
その場に居る全員が魔法使いであり、指輪の隠れた機能も、疑いをもって分析すれば察することができるものではあった。果たしてシュタルクはうつむく
「ま、そんなところだろうと察しては、いたんだけどね」と、フリーレン。「でも、シュタルクを殺すというなら私は阻止するよ。それでも殺る気かいリーニエ?」
「できない! 私は…わたしは天秤の呪縛を、ワイ様の命令を、受けている身だから」
シュタルクが恐る恐る目を開ける。彼の身には傷一つない。ただ、さっきまで小指にはめていたピンキーリングは跡形も無く消滅していた
「フェルンは、想い出だけをその指輪に込めたのではない…!」
リーニエは自分でも驚くほど激しく、声を荒げていた。「同じ指輪をはめた男の精を、受胎できるように魔力で小細工をしていたんだ!」
その場に居る全員が魔法使いであり、指輪の隠れた機能も、疑いをもって分析すれば察することができるものではあった。果たしてシュタルクはうつむく
「ま、そんなところだろうと察しては、いたんだけどね」と、フリーレン。「でも、シュタルクを殺すというなら私は阻止するよ。それでも殺る気かいリーニエ?」
「できない! 私は…わたしは天秤の呪縛を、ワイ様の命令を、受けている身だから」
173
フリーレンは、微笑した。「ワイの目に狂いはなかったか。リーニエ、やはりお前は生きるべきだ」
「フリーレン。貴女はシュタルクの父親がワイ様だと、知っていたんだよね?」と、なおも恨みがましいリーニエ
「フェルンの目論見も、知ってて止めなかったのね?」
暗い憎悪がリーニエの全身から尋常ならざる魔力を解放し、白い渦を巻きながらいまや林道一帯を覆っている。シュタルクは覚悟した。ここで下手を打つと命はともかく、骨の二本か三本は折られかねない…
「もしリーニエがワイの子を産めたのなら、止めてたと思うよ」とフリーレンは、肩をすくめる
「それが不可能と分かっていたからね。ならば長い目で見て、お前にも悪い話じゃないだろうと思ってさ」
フリーレンは、微笑した。「ワイの目に狂いはなかったか。リーニエ、やはりお前は生きるべきだ」
「フリーレン。貴女はシュタルクの父親がワイ様だと、知っていたんだよね?」と、なおも恨みがましいリーニエ
「フェルンの目論見も、知ってて止めなかったのね?」
暗い憎悪がリーニエの全身から尋常ならざる魔力を解放し、白い渦を巻きながらいまや林道一帯を覆っている。シュタルクは覚悟した。ここで下手を打つと命はともかく、骨の二本か三本は折られかねない…
「もしリーニエがワイの子を産めたのなら、止めてたと思うよ」とフリーレンは、肩をすくめる
「それが不可能と分かっていたからね。ならば長い目で見て、お前にも悪い話じゃないだろうと思ってさ」
174
「『悪い話じゃない』…どうして?」
「ワイが逝った後も、お前は長く生きねばならない。何百年も、あるいは何千年もだ。それもワイへの服従の呪縛を、抱えたまま」
フリーレンは目を細める。何かを思い出しながら語っているかのように、リーニエには見えた
「それでもお前はワイの血が受け継がれた人々を、これからも見続けていられるんだ。それってある意味で、フェルンの贈り物ともいえるんじゃないかな?」
「贈り物…?」
復唱するリーニエの声音に、妥協の気配はない。「そんなお為ごかしで、誤魔化さないで。ワイ様の許しも無く、彼の子をなしたフェルンの背信は明らかです!」
「『悪い話じゃない』…どうして?」
「ワイが逝った後も、お前は長く生きねばならない。何百年も、あるいは何千年もだ。それもワイへの服従の呪縛を、抱えたまま」
フリーレンは目を細める。何かを思い出しながら語っているかのように、リーニエには見えた
「それでもお前はワイの血が受け継がれた人々を、これからも見続けていられるんだ。それってある意味で、フェルンの贈り物ともいえるんじゃないかな?」
「贈り物…?」
復唱するリーニエの声音に、妥協の気配はない。「そんなお為ごかしで、誤魔化さないで。ワイ様の許しも無く、彼の子をなしたフェルンの背信は明らかです!」
175
「もちろんこれが彼女の“抵抗”でもあるのは、否定しないよ」。フリーレンはリーニエのただならぬ怒りの表情を読み取り、先立った弟子の弁護を諦めた
そのかわり黙ってトランクカバンを地面に置いて中を開き、ある品物を取り出したのである。「…これ、覚えてるよね?」
すでに機能しないほど歪に変形してはいたが、忘れるはずもない。それはまぎれもなくワイとリーニエの絆を取り結んだ“運命”の呪物だった
果たして、リーニエは眉を顰める。「服従の天秤…でも、なんで壊れてるの? たとえ岩の下敷きになっても、傷一つつかないはずなのに」
「壊したのはフェルンだよ。そうとう骨折っていたけどね。一級魔法使いフェルンの生涯でも、最盛期の最大魔力ではじめて可能だった仕事さ」
「もちろんこれが彼女の“抵抗”でもあるのは、否定しないよ」。フリーレンはリーニエのただならぬ怒りの表情を読み取り、先立った弟子の弁護を諦めた
そのかわり黙ってトランクカバンを地面に置いて中を開き、ある品物を取り出したのである。「…これ、覚えてるよね?」
すでに機能しないほど歪に変形してはいたが、忘れるはずもない。それはまぎれもなくワイとリーニエの絆を取り結んだ“運命”の呪物だった
果たして、リーニエは眉を顰める。「服従の天秤…でも、なんで壊れてるの? たとえ岩の下敷きになっても、傷一つつかないはずなのに」
「壊したのはフェルンだよ。そうとう骨折っていたけどね。一級魔法使いフェルンの生涯でも、最盛期の最大魔力ではじめて可能だった仕事さ」
176
「…なぜ、何故そんなことを。もしかして、物に八つ当たり? 確かに、その天秤無くして私とワイ様は結ばれなかっただろうけど―――」
リーニエの問いに、フリーレンは首を振る。「自分が使わないためだよ。正しくは、使いたくなる思いを断ち切るため、というべきかな」
「…?」。リーニエが、怪訝そうに眉をひそめる。だがシュタルクは、何か戸惑うように目を伏せていた
「誰にでも思いつくことさ」と、フリーレン。「ワイがリーニエにしたことと同じことをフェルンがワイにしたとしたら、どうなると思う?」
リーニエが、ハッとした顔をする。フリーレンが畳みかける
「当代最高の魔法使いフェルンが天秤を使ったなら、ワイを服従させていたはずだ。だが彼女は、そうしなかった。理由は二つ。一つは、それが理に背くから―――」
「…なぜ、何故そんなことを。もしかして、物に八つ当たり? 確かに、その天秤無くして私とワイ様は結ばれなかっただろうけど―――」
リーニエの問いに、フリーレンは首を振る。「自分が使わないためだよ。正しくは、使いたくなる思いを断ち切るため、というべきかな」
「…?」。リーニエが、怪訝そうに眉をひそめる。だがシュタルクは、何か戸惑うように目を伏せていた
「誰にでも思いつくことさ」と、フリーレン。「ワイがリーニエにしたことと同じことをフェルンがワイにしたとしたら、どうなると思う?」
リーニエが、ハッとした顔をする。フリーレンが畳みかける
「当代最高の魔法使いフェルンが天秤を使ったなら、ワイを服従させていたはずだ。だが彼女は、そうしなかった。理由は二つ。一つは、それが理に背くから―――」
177
「でも。でもワイ様は、かれは私に天秤を使ったわ。“ワイは理に背いた”と、フリーレンは言うの?」と、詰問調になるリーニエ。然るにフリーレンは首を振る
「ワイがお前に天秤を使った時点で、お前は誰の部下で誰と敵対していたんだ?」
「そ、それは―――」。そのときリーニエの記憶が、鮮やかによみがえっていた。「もちろん私はリュグナーの部下で、ワイ様を斃そうとしてた」
「そう。お前は魔族で、ワイとは互いに互いを討滅すべき天敵同士。いっぽうフェルンとワイは同じ人間で、ましてパーティの“戦友”…立場と言うか、関係性の違いだよ。ワイは、フェルンが天秤を使ってよい相手ではないんだ
だけどもちろん、それだけが理由ではない。もっと大事な理由がある。それは―――」
「母が、“負け”を認めた。そういうことですよね?」。まだ微かに息を弾ませつつも、シュタルクが口を挟んだ
「ワイさんがリーニエさんを選んだのは、明白だった。なのに 魔族の道具を使ってワイさんを自分に従わせるなんてまねは、俺の母にできることじゃない」
「でも。でもワイ様は、かれは私に天秤を使ったわ。“ワイは理に背いた”と、フリーレンは言うの?」と、詰問調になるリーニエ。然るにフリーレンは首を振る
「ワイがお前に天秤を使った時点で、お前は誰の部下で誰と敵対していたんだ?」
「そ、それは―――」。そのときリーニエの記憶が、鮮やかによみがえっていた。「もちろん私はリュグナーの部下で、ワイ様を斃そうとしてた」
「そう。お前は魔族で、ワイとは互いに互いを討滅すべき天敵同士。いっぽうフェルンとワイは同じ人間で、ましてパーティの“戦友”…立場と言うか、関係性の違いだよ。ワイは、フェルンが天秤を使ってよい相手ではないんだ
だけどもちろん、それだけが理由ではない。もっと大事な理由がある。それは―――」
「母が、“負け”を認めた。そういうことですよね?」。まだ微かに息を弾ませつつも、シュタルクが口を挟んだ
「ワイさんがリーニエさんを選んだのは、明白だった。なのに 魔族の道具を使ってワイさんを自分に従わせるなんてまねは、俺の母にできることじゃない」
178
フリーレンはうなずき、リーニエを正視する
「フェルンにはフェルンの無念があった。ワイと過ごしたかった時間の全てを、お前に奪われてしまったんだ
そしてワイの心の中には、お前しか居なかった。敗者フェルンのはかない抵抗に、お前は寛大であっていいはずだ」
リーニエの握りしめた拳が、徐々に力を失っていく。彼女の進退から湧き上がる魔力の渦が、場末の季節風が衰えるかのように急激に弱まっていく
ワイ様のぬくもりを、自分の肌は今でも鮮やかに思い出せる。それはフェルンが渇望しつつ、遂に得られなかったものではなかったか…?
フリーレンはうなずき、リーニエを正視する
「フェルンにはフェルンの無念があった。ワイと過ごしたかった時間の全てを、お前に奪われてしまったんだ
そしてワイの心の中には、お前しか居なかった。敗者フェルンのはかない抵抗に、お前は寛大であっていいはずだ」
リーニエの握りしめた拳が、徐々に力を失っていく。彼女の進退から湧き上がる魔力の渦が、場末の季節風が衰えるかのように急激に弱まっていく
ワイ様のぬくもりを、自分の肌は今でも鮮やかに思い出せる。それはフェルンが渇望しつつ、遂に得られなかったものではなかったか…?
179
「フリーレン…」
「それならそれで『騙して子ども作るのは、どうなんだ?』って顔だねリーニエ。でも人間の情ってのは、一筋縄ではいかないものだよ―――
ま、あの世でフェルンと再会して真相を知らされたワイがどんな顔をしているかと想うと、ちょっと気の毒な気もするけどね」
暫しの沈黙があった。リーニエは、もはや何も言わなかった。だがその可憐な双眸からは、すでに怒気が去っている
シュタルクはなおも緊張を解ききれない面持ちではあったが、リーニエのぼんやりした表情に安堵してもいた
彼は口笛を吹いた。いったんは逃げた馬が、引き返してくる。シュタルクは手慣れた動作で、再びくつわを手に取る
「空模様が怪しい。一雨来るかもしれませんな。早く次の町に、向かいましょう」
「フリーレン…」
「それならそれで『騙して子ども作るのは、どうなんだ?』って顔だねリーニエ。でも人間の情ってのは、一筋縄ではいかないものだよ―――
ま、あの世でフェルンと再会して真相を知らされたワイがどんな顔をしているかと想うと、ちょっと気の毒な気もするけどね」
暫しの沈黙があった。リーニエは、もはや何も言わなかった。だがその可憐な双眸からは、すでに怒気が去っている
シュタルクはなおも緊張を解ききれない面持ちではあったが、リーニエのぼんやりした表情に安堵してもいた
彼は口笛を吹いた。いったんは逃げた馬が、引き返してくる。シュタルクは手慣れた動作で、再びくつわを手に取る
「空模様が怪しい。一雨来るかもしれませんな。早く次の町に、向かいましょう」
180
フリーレンもうなずき、手早くカバンに壊れた天秤をしまいこむと先ほどよりやや速い歩みで、進み始めた。リーニエは黙ってその背中に、ついてゆく
「こんな必然もあるんだね…」。シュタルクの白みがかった赤毛の後頭部を凝視しながら、リーニエは小声でそうつぶやいていた
彼女の脳裡に、斧をふるうアイゼンの姿がよみがえる。ワイの放った閃天撃の衝撃が、天秤に魂を乗せ勝ったときの彼の歓喜の表情が、若き日のフェルンの思いつめた面持ちが―――
「ワイ様と戦った時に、思った通りだ。つくづく運命は面白い…」。その先は、声には出なかった。それでも心の中で独り言ちる
(だけどひどく、やるせ無い…)
ぽつぽつと、小雨の粒がリーニエの顔に当たりはじめる。どうやら、濡れずに今宵の宿までたどり着くのは無理そうだ―――
「奥様は美少女まぞく」 完
フリーレンもうなずき、手早くカバンに壊れた天秤をしまいこむと先ほどよりやや速い歩みで、進み始めた。リーニエは黙ってその背中に、ついてゆく
「こんな必然もあるんだね…」。シュタルクの白みがかった赤毛の後頭部を凝視しながら、リーニエは小声でそうつぶやいていた
彼女の脳裡に、斧をふるうアイゼンの姿がよみがえる。ワイの放った閃天撃の衝撃が、天秤に魂を乗せ勝ったときの彼の歓喜の表情が、若き日のフェルンの思いつめた面持ちが―――
「ワイ様と戦った時に、思った通りだ。つくづく運命は面白い…」。その先は、声には出なかった。それでも心の中で独り言ちる
(だけどひどく、やるせ無い…)
ぽつぽつと、小雨の粒がリーニエの顔に当たりはじめる。どうやら、濡れずに今宵の宿までたどり着くのは無理そうだ―――
「奥様は美少女まぞく」 完
以上で「奥様は美少女まぞく」は完結です。9日間にわたりお付き合いいただき、ありがとうございました
リーシュタは尊い。リーニエ(cv・石見舞菜香)は可愛い。「葬送のフリーレン」でいちばん推せるキャラ、それがリーニエ
シュタルクも、もう少し余裕があったら「あ、この娘かわいいやん。殺すの勿体ない」と、考えたのではあるまいか…?
たしかに出会いの形は最悪だった。最初から対決の構図だったし実質チーム戦だから、シュタルクvsリーニエも二人の都合だけではやめにくい
リーシュタは尊い。リーニエ(cv・石見舞菜香)は可愛い。「葬送のフリーレン」でいちばん推せるキャラ、それがリーニエ
シュタルクも、もう少し余裕があったら「あ、この娘かわいいやん。殺すの勿体ない」と、考えたのではあるまいか…?
たしかに出会いの形は最悪だった。最初から対決の構図だったし実質チーム戦だから、シュタルクvsリーニエも二人の都合だけではやめにくい
だとしてもシュタルク、ちょっと朴念仁すぎる感じだった
(よく考えてみると、あの魔族って鹿目まどか似で、かわいかったよなあ…)と、惜しむ描写くらいは欲しかった
リーニエの可憐さに少しも靡くことなく、あっさり討ち取ったあげくフリーレンに手柄を褒められてドヤ顔になっているシュタルク…
リーニエファンの目にはなんとも無粋で、つまらない男に見えてしまう><
かくなるうえはワイが「葬送のフリーレン」二次創作を、やるしかない(使命感)
そう思うと矢も楯もたまらず、本作を書き上げてしまいました。
原作の世界観をなるべく継承したいという思いもあり、フェルンとリーニエでワイを半分こする展開になったのはご愛敬…
それでは、お粗末様でした(@^^)/~~~
―――終わり―――
(よく考えてみると、あの魔族って鹿目まどか似で、かわいかったよなあ…)と、惜しむ描写くらいは欲しかった
リーニエの可憐さに少しも靡くことなく、あっさり討ち取ったあげくフリーレンに手柄を褒められてドヤ顔になっているシュタルク…
リーニエファンの目にはなんとも無粋で、つまらない男に見えてしまう><
かくなるうえはワイが「葬送のフリーレン」二次創作を、やるしかない(使命感)
そう思うと矢も楯もたまらず、本作を書き上げてしまいました。
原作の世界観をなるべく継承したいという思いもあり、フェルンとリーニエでワイを半分こする展開になったのはご愛敬…
それでは、お粗末様でした(@^^)/~~~
―――終わり―――
206◆SNuCULWjUI
2024/06/08(土) 20:29:09.34ID:nfyFP/k1 筆のすさびで、こんなのも書いてしまいました。ご笑覧あれ…
フリーレン「アウラ、じ…」 アウラ「じ、じっ、自慰ですかっ? 公開オナニーですねっ?」
https://mi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1717832568/
フリーレン「アウラ、じ…」 アウラ「じ、じっ、自慰ですかっ? 公開オナニーですねっ?」
https://mi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1717832568/
207あぼーん
NGNGあぼーん
208創る名無しに見る名無し
2024/06/11(火) 20:09:02.69ID:AC38q/xW >>207
まだやってたんだもう現金にしたよ
まだやってたんだもう現金にしたよ
209創る名無しに見る名無し
2024/06/15(土) 13:43:35.26ID:IX2SHhHF210◆SNuCULWjUI
2024/07/12(金) 21:17:54.29ID:IGR3rc30 >>209
ありがとう
ついでに即興で作ったGの二次SSも、置いときます。後悔はしていない…
ガルマ「『イセリナと結婚するのでジオン捨てます』、と…」φ(・ω・`)
https://mi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1720678551/l50
ありがとう
ついでに即興で作ったGの二次SSも、置いときます。後悔はしていない…
ガルマ「『イセリナと結婚するのでジオン捨てます』、と…」φ(・ω・`)
https://mi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1720678551/l50
211創る名無しに見る名無し
2024/07/16(火) 16:07:52.18ID:zEX2mnmT ロンド・ベルの南極降下作戦、開始――!!
トロール族の真実を知らされ自分自身を見失うハッケヨイは、ネオ・ジオンの軍服に身を包み強化型チヨノフ・ガンダムで出撃する。
連邦、ネオ・ジオン、ルオ商会……様々な思惑が交差する南極で、再び戦端が開かれる……!
トロール族の真実を知らされ自分自身を見失うハッケヨイは、ネオ・ジオンの軍服に身を包み強化型チヨノフ・ガンダムで出撃する。
連邦、ネオ・ジオン、ルオ商会……様々な思惑が交差する南極で、再び戦端が開かれる……!
212創る名無しに見る名無し
2024/07/24(水) 22:43:36.99ID:cRwTTM0F 操作、で、錚々
さうさう
さうさう
213創る名無しに見る名無し
2024/07/25(木) 17:36:37.27ID:zsPTjMJM で、ハッケヨイとガンダムが朝マックを食べに行くと。
214創る名無しに見る名無し
2024/07/26(金) 15:34:40.09ID:MXW7Uvzu おう
215創る名無しに見る名無し
2024/07/28(日) 23:49:13.01ID:Abtpk8XF ガンダムはマック食べない
216創る名無しに見る名無し
2024/07/29(月) 13:44:32.17ID:XvlSUFsM ガンダム「ビッグマック美味えな、おい」
217創る名無しに見る名無し
2024/07/29(月) 23:28:52.69ID:gtMnZ8kk ガンダム「一定水準のレベルの美味さだ」
218創る名無しに見る名無し
2024/07/31(水) 03:36:39.75ID:e5y0cB1U ガンダム「店主よ、このビッグマックのレシピを教えてはもらえないだろうか?」
219創る名無しに見る名無し
2024/08/12(月) 06:26:53.99ID:qHFqAZwI 店主「ああ、こう作るんだ。よく見とけよ」
バンババンババババン
店主「どうや、簡単やろ?」
ガンダム「肉をパンで挟むんですね」
店主「せや、肉は何の肉でもかまわん。これでお前は支店長や。頑張れよ」
ガンダムは地元にハンバーガ屋を開店した。
わ
バンババンババババン
店主「どうや、簡単やろ?」
ガンダム「肉をパンで挟むんですね」
店主「せや、肉は何の肉でもかまわん。これでお前は支店長や。頑張れよ」
ガンダムは地元にハンバーガ屋を開店した。
わ
220創る名無しに見る名無し
2024/09/04(水) 20:35:34.88ID:h1Qdyn0U 早々のフリーター
221創る名無しに見る名無し
2024/12/16(月) 01:02:28.98ID:xr81mQEy 【リレー小説】ふみえさんはいつも突然に 33
https://egg.5ch.net/test/read.cgi/owarai/1732352885/
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