取り敢えず状況説明

子供達は最初は驚いていたけど、意外と冷静に受け止めているよ。
来るべきものが来たと言う感じかな?
長男と長女はこの二ヶ月余り、殆ど妻とは口を聞いていなかったから。
私以上に、居れば便利な家政婦扱いだったし。

私の実家は普通の一般家庭だよ、金が有るとしたら、姉貴の旦那の実家の方かな?
姉貴と連絡を取ったが、母は妻の浮気と懐妊を知った直後から、私の再婚候補相手探しをやっていたそうだ。
『歩く小言』と煙たがれがちの母だが、顔は広いから。私の再婚相手を探すのに、そう時間はかからなかった。
むしろ今までは大人しく様子を伺っていたと、言っていいのかもしれない。
急に動く気になったのは、潔癖症の傾向が強い長女が、妻を家から追い出したがっていたからだろうな。
妻の悪阻が始まると、仕切りに母と連絡を取っていたから。
「お祖母ちゃん私やっぱり無理、あの女も異父兄弟も受け入れ出来ない、嫌悪感しか持てないよ」
この一言で母は妻の追い出しを決断したと言う。

妻は家近くのウイクリーマンションに移らせた。妻からは私の私用の携帯電話には、ひっきりなしに着信が来ているな・・・・
要は『私を見捨てないで』だな。正直に言って妻への愛情は一欠片も残っていない。
子供達と再婚相手候補との関係が上手く行けば、年が明けたら妻とは正式に離婚をしてもいいとさえ考え始めているよ。

ただなあ妻には行く所がない。義実家の方は義兄夫婦が妻に否定的だから、義両親が何処まで動けるのか、かなり疑問なんだけどね。
それに妻への愛情は一欠片も無いが、子供達の母親なのは確かなんだし、無一文で放り出すには些か咎めるし、まだ利用価値も有るのだから。

まあ取り敢えずは明日だな。
私弁からの話しでは間家側の方で、一流の大学病院の産婦人科を用意したから安心しろと言って来てはいるが、あくまでも間大生の子ではなく私の子で中絶しろだと。
離婚もするなと言って来てもいる。
いったい何様のつもりでいるのかな?