俺は高校のとき応援団に入っていた。ここではすごい恥ずかしい体験をたくさんした。
うちの高校では、チアも応援団の一部門だったので、応援団には女子部員もいた。

まず入部１ヶ月くらいの時に、新入部員全員屋上に集められ、女子も含む全部員が揃ったところで、
男子は全ての服を脱いで裸になるように命令された。女子もいる前でのことだ。
しかし、その頃までには、俺達は既に、「先輩の命令は絶対」と躾られていたし、
こういう裸の儀式があることは既に知っていたので、覚悟はできていた。
だから、ああ、いよいよ来たな、と気合が入ったというのが正直なところだった。

一列に並び、「オッス」の掛け声をとともに脱ぎ始めた。
途中、先輩達から、何度も何度も「遅い」「もっとさっさとしろ」と怒鳴られ続けた。
少し憧れていた女の先輩までが「トロトロすんな」と叫んだのは、少しショックだった。
無我夢中で脱いでいったのだが、最後の一枚になって周りを見回したところ、隣にいたＳと目が合った。
奴もちょうどトランクス一枚だった。そして申し合わせたように同時に最後の一枚を脱ぎ捨てた。
直立不動で整列した。大空の下で素っ裸というのは、すがすがしい気分だった。
しかし、まだウブで、女子部員とはまともに目を合わせられなかった。１年女子の側も同じ様子だった。

その後、一人ずつ、腰に手を当てて下半身を突き出す、例のあの応援団の格好をとらされ、
順番に大声で自己紹介させらた。自分の番が来た時には、ただ夢中で絶叫した。
最後に裸のまま、１人ずつ校歌を歌わされた。間違えると、ケリが飛んできた。

俺はむちゃくちゃ緊張して、何度も間違えて、ケリを頂いたのだった。
男子が終わると、女の先輩がパンッパンッと手を叩き、「今度は女子の番！」と叫んだので、
正直、驚いた。１年女子の方を見るとみんな、絶望的な顔をしてやがった。
しかし、さすがに女子は脱がされず、制服のまま、男子と同じように大声で自己紹介し、最後は校歌を歌わされた。
間違えた奴はビンタだった。

ちょっと興奮した。全ての儀式が終わって、ガクランを着ることが許された時には、既に日はとっぷり暮れていた。