同じ猫でも、長患いをしていた子は自分が死んだことはすぐ理解できてた

天気もいいしさっさと(お寺に)行こうよとその猫に言われているようだった。
うちが大好きだったのではないのか、薄情な猫だなと少し憤慨しつつお寺に猫の遺骸を持って行ってその帰り、
自宅までもう少しというところで、家に帰ってももうあの猫はいないんだと思ったら寂しくてふと後ろを振り返った瞬間
服の裾をぐいっと前に引っ張られた

とっさにあの猫だと思った

なんだ、体はお寺においてきたけど、ちゃんと私と一緒に帰ってきたのか
私のそばにこれからもいてくれるんだと思ったら悲しみも楽になった

私には見えないが家人には電気の傘の上にいるその猫がみえるらしい
ちょくちょく出てきては生前と変わりのない姿だそうだ