小学校までは成績がある程度良くても中学生になると英語の成績が悪く不適応を起こした生徒は自閉症スペクトラムの疑いがあるというのが現場感覚らしい。中学生高校生で不適応になった子供の中で自閉症スペクトラムが疑われる子供のほとんどが英語の成績は他科目より悪い。
他方、小学校から成績が悪いが英語だけは成績が良いという例がある。高校進学に際して保護者が悩み不思議に思ってその子供の検査をすると
・文字を読むことに困難を抱えているので、教科書を読めず板書をノートに書き写すことができない
・問題文を読むことが困難なので紙でのテストに答を書くことができない
・英語は音で(耳で)学習するものが多いので成績が良いと思われる
・知能検査の結果は学校の成績から予想されるものよりずっと高い。理由は文字として学習していないが耳で聞いたことは学習している

学校でも家庭でも識字障害のある子供を見つけることは難しい。勉強のできない子として認知されるが友人関係などに問題があることはない。日本において識字障害のある子供の一部が知能検査では普通より顕著に高い数値を示す、ということは推測できることだ。そういう子供たちへの支援が必要と述べている。