苛斂誅求の税制

軍閥支配時代の満州のもっとも安易にして、最大の財源のひとつが租税であった。
もう一つが専売制度である。
租税の徴収は収入第一主義で、しかももっとも簡易な請負徴収制度がとられた。
いわゆる「比額提奨金制度」である。
すなわち超過徴収額は一定の歩合を奨励金として交付し、
徴収税金のうち一定割合が局員給与となっていた。
そのため税吏は競って苛斂誅求に走った。
手っ取り早く蓄財できる徴税局長の地位は売官対象となり、局長が代われば一族郎党である局員も全部入れ替わる。
局長職の競売も軍閥の大きな収入源の一つとなった。
『満州国は日本の植民地ではなかった』 黄 文雄 WAC BUNKO