北陸鉄道の6000系、6010系を語らずにはおれん。

前者は「くたに」の名で、吊り掛け式が当たり前の地方私鉄の中にカルダンドライブの新性能。わずか9年で大井川鉄道に譲渡され、「あかいし」と名が変わったが、元々600Vでの新性能車だったのが災いして昇圧ができず、旧型車に牽引される始末…

後者は「しらさぎ」、こちらはアルミ車体だけど、軽量化のための苦肉の策で、下回りは旧型車の流用。なんともアンバランス。
そもそも国道8号線の延伸に伴って、北鉄加南線の一部を廃止せざるを得なくなったため、建設省(当時)の補償金で造られた。

特に「あかいし」の方が大井川鐵道では不遇だったけど、「しらさぎ」は旧型車なのが幸いし、昇圧されて結構使われ、今は「里帰り」して山中温泉の道の駅に保存されている。

地方私鉄の良き時代に生まれ、その後数奇な運命を辿ったロマンスカーとして語ってみた。