中国で次々に捕まる日本人、日中関係正常化は幻想だ
ttps://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58030
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191024-00058030-jbpressz-int

中国「教授拘束事件」の意味…内外の研究者に及ぶ管理・統制
関係改善どころか、対日強硬政策
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68287
 この研究者の専門は中国近現代史である。現代中国の政治や安全保障ではない。それも少数民族の独立に関わる歴史研究
であるとか、中国が敏感にある宗教史の研究でもなく、日中戦争史の研究者なのである。
 中国国内で民国史や抗日戦争史をめぐる問題が共産党史との関係で喧しいのは確かだ。中国が対外的に歴史戦を展開して
いることも広く知られる。だが、日本の歴史研究者を入国拒否ではなく、拘束したということは大きな要因だ。

 そうした意味では、第一に挙げた外国人をめぐる管理、統制の強化は、むしろ中国国内の中国人向けの制度が、外国人にも
適用されつつあることを意味しよう。研究者についても、国内の研究者に対する監視・管理体制が中国国内に入った外国人にも
適用されるようになりつつあるのであろう。

 拘束されたと思われる国立大学の教授は中国近現代史の研究者である。歴史研究者が「現実」とはあまり関わらないというの
は、中国には当てはまらない。
 中国では、ある意味で、歴史こそが現実である。中国共産党政権の正当性の根拠の1つが歴史にあり、「正しい歴史」こそが
学校で教えられ、メディアで流され、そして出版物に反映されるべきものである。

 この十数年、中華民国史(1912-1949)の研究は大いに進展してきた。台湾で国民党や中華民国の史料が大量に公開され、
さらにアメリカで蒋介石日記が利用できるようになると、中国の研究者が大挙して閲覧に訪れた。
(続く)