ジャーナリストの堀潤氏は「学校が非常に特殊なケースのように思えるが、
一般社会でもAさんのような話はいくらでもある。“俺たちもそうだったから“と言い、
それに“NO“と言えなくなっていく空気作りというのは、
この国全体にはびこっている問題だと思う。スポーツの世界では、
ようやく過去の誤った指導法が見直されつつあり、マネジメントの能力不足、
勉強不足が指摘されるようにもなった。“今までこれで回っていたから“ではなく、
このような問題を再生産させてきたことに真正面から向き合わないと、
教育現場に入ってこようという一生懸命に若い先生たちを大人が潰すことになる」と
指摘した。

 内田氏は「公立校の場合は人事交流もあるので、風通しは決して悪くない。
一方、体罰をしても“教育の一環、指導の一環“という議論が出てきてしまい、
クビにはなりにくい。しかし率直に言って、今回は誰もが異常性を感じてしまう
事案だし、他の先生たちは“これはおかしい“と思っていたはずだ。
こんな犯罪のようなことをしている人たちには出ていってもらって、
先生にとっても、子どもにとっても過ごしやすい場所にしていくことが必要だ。
子ども同士のいじめの問題でも“9月1日に学校に行くのが辛いなら
行かなくてもいい“と言われるが、そもそも学校に来なくていいのは、
いじめている側ではないか、という議論も必要だ。もちろん誰しも学校に来る
権利を持っているので、排除しようというわけではないが、
やはり加害側が学校に残ってしまうのが問題だ。やはり暴力に対して、
なかなか厳しく“NO“と言えないのが、学校の文化でもある。
そこはダメなものはダメと言った上で、大人の場合には辞めてもらうことが必要だ。
今回も、教育委員会がどのような処分を下すかまでちゃんと
追いかけなければならない」と話していた。