報じられている4人のいじめ行為は罪に問われないのか。
「考えられる罪名としては、暴行罪(刑法208条)、強要罪(刑法223条1項)などが
あります。激辛カレーを無理やり食べさせたり、目や口に塗ったりすれば、
それ自体が暴行ですから、その結果、身体の生理的機能に障害が生じたということで
あれば、傷害罪(刑法204条)も成立するでしょう。
もちろん、被害教員が被害届を提出するなどして、捜査当局が動かなければ、
罪に問われることはありません」
被害を受けた男性教員は損害賠償をもとめることはできるのか。
「国家賠償法1条1項は、『国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、
その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、
国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる』と規定しています。
被害教員に対する加害行為が公務や公務関連行為に該当しなければ、
私的行為ということになりますから、国家賠償法の問題ではなく、民法によって
損害賠償を求めることができますが、公務や公務関連行為である場合には、
公務員は個人的な賠償責任を負わないでしょう」
今回の場合はどうなのか。
「個々の加害行為のすべてが明らかにされているわけではありませんが、
少なくとも激辛カレーを無理やり食べさせたり目や口に塗ったりする行為は、
公務や公務関連行為とはいえないでしょうから、被害教員は加害教員に対し
直接に損害賠償を求めることが可能と考えられます」