深夜に鳴る電話。相手は五月だった。


麻里「どうしたのさっちゃん。こんな時間に?」
五月「麻里ちゃんを見損ないました」
麻里「え?」
五月「私が中電を辞めようと悩んでいたとき、麻里ちゃんと常呂で会ったあの日から、ずっと麻里ちゃんの言葉だけを信じていました。
   オリンピック経験のない私に麻里ちゃんはスキップを任せてくれた。中電では得られなかった・・・ちなやゆうみ、ゆりかや仲間たち、
   それからチームを支える人達にも出会えました。カーリングってこんなに楽しくやっていいって、麻里ちゃんの言葉が嬉しくて。
   だから私のためだけじゃない。アイスに立てなかった麻里ちゃんのためにも絶対にメダルを取ろうと。オリンピックではそれだけをずっと考えて。
   でも、そんな私の想いをまさか麻里ちゃんが踏みにじるなんて、思ってもいなかった」
麻里「ちょ・・・一体なんの話?」
五月「分かりません?」
麻里「私の行動がなにかさっちゃんを傷つけたなら謝る。けど・・・」
五月「私がスウェーデンで筋肉の相手したりはと美の愚痴を聞いたりしている時に、4人でレイクルイーズにいくなんて酷い!
   それに私だってカレー食べたかった」
麻里「・・・・明日早いんで寝ていい?」


麻里は電話を切ったがMD世界選手権がおそらく予選敗退で終わることは確信した。


麻里「うん・・・北見帰ったらお寿司奢ったほうがいいな」