小野寺歩に捧ぐ

真直ぐに 滑らす石に 夢託す 君の生き方 そのものに似て
名の如く 歩み続ける ひたむきに 重き荷背負い 一歩、また一歩
あの娘 不思議な魅力 醸し出す 人引き付ける 磁石のように
僻遠の 寂しき町に 蒔いた種 予期せず咲いた 美しき花
サロマ湖と 流氷、遺跡 オホーツク あまりに遠く ロマンかきたて
オホーツク 酷寒の地が 育んだ 頸(つよ)き魂 優しい心
昔日の ソルトの屈辱 埋火(うずみび)に 誓いの友と 夢追い続け
教職の 途(みち)捨て去りて 貝柱 剥きつつ想う トリノへの道
夜汽車の名 ちと寂しげな ハマナスよ ふたつの花の 咲く日は来るや
トンネルは ルビコン川か 闇を行く 希望と不安 ゴトリゴトリと
青春の 夢引きずって 海渡り 友と語らう 「帰れないね、もう・・・」

知らぬ地の つましき生活(くらし) 絶望は 夢の代価か 枕濡らして

岐路に立ち 思い惑いて 選びしは 夢と現実 狭間(はざま)に苦悩し

新天地 道のり遥か たゆまずに 小さな身体(からだ)に 大きな望み

盟友と 慕いし娘(こ)らと 汗流す 志立て 苦難に耐えて

泣き黒子(ぼくろ) 流す涙の その陰に 愚直なまでの 努力ありてか

とつ国の 停車場に立つ 遥けくも 四年の歳月 この日の為に

偶然に チャンネル合わせ 引き込まれ のめり込むのに 時はかからず

次々と 現る敵に 立ち向かう 石と氷の 織り成すドラマ

旅の空 ふるさとの祖母 ふと想う いつ帰れるや 懐かしき家

旅人の 心の隅に ふるさとか どこか似ている 赤毛のアンに