インド、性的暴行受けた修道女の「反乱」
長谷川 良
http://agora-web.jp/archives/2039773.html
インドの主要宗教はヒンズー教徒で全体の80%を占め、その次はイスラム教徒の13%、キリスト教徒は2%前後の少数派宗教に過ぎないが、
そのローマ・カトリック教会の修道院の修道女(44)が2014年から16年にかけ司教に13回、性的暴行を受け続けてきた。
同修道女はローマ法王フランシスコにも書簡を送り、助けを求めたが、バチカンからは返答がなかった。
同僚の5人の修道女が立ち上がり、性的暴行を行った司教を訴えに出たことから、インドでも大きな話題を呼んでいる。

独週刊誌シュピーゲル最新号(6月15日号)は4頁に渡り、インドの修道女の蜂起を報道している。
タイトルは「修道女たちの反乱」(Rebellion der Nonnen)だ。
インドのコーチ市から南西部の Kuravilangad のイエズス会修道院で司教の性的暴行を受け続けた修道女は
今年1月に駐インドのバチカン大使宛てに手紙を書いたのを皮切りに、5月にはルイス・ラダリア教理省長官、そのコピーをフランシスコ法王、6月にはバチカンのナンバー2のパロチン国務省長官に手紙を送り、
司教から脅迫され、性的暴行を受けたと報告したが、返答はなかった。
その直後、修道女はインドのケララ州の最高指導者フランコ・ムラッカル司教(55)を告訴した。

ローマ・カトリック教会総本山バチカンで2月、未成年者への性的虐待問題をテーマに世界司教会議議長会議が開催さればかりだ。
アラブ首長国連邦(UAE)からローマへの帰国途上の機内記者会見でフランシスコ法王は修道女への性的虐待問題についての質問を受け、
「修道女が神父や司教たちの性的奴隷のように扱われてきたことを知っている」と答えている。

中略
問題は、インドの修道女の場合、教会指導部に報告し、その対応を要請してきたが、その叫びに教会側が全く応じなかったことだ。特に、インドの修道女はフランシスコ法王宛てにも書簡を送ったが、同じように返答はなかった。

独教会の女性信者たちが教会内の女性の権利擁護を訴えてストを行ったばかりだ。
インドの修道女の例でも明らかなように、修道女たちも不法な扱いにもはや沈黙しなくなってきた。
バチカンは女性の蜂起に対しこれまでのように静観していることはできないだろう。
(抜粋)