671可愛い奥様2018/05/29(火) 16:51:30.66ID:GdMG2ppm0
>>669続き
これに対し、原告は、本件書籍は本件小説で触れられていないことや、本件小説のテーマとは関係
ないことも記載しており、本件小説の検証のためとしても必要性がない情報を公表している旨主張
する。しかしながら、本件小説には、例えば、「たかじんは呟くように言った。『イタリアには彼
がいるの?』『親しい男性はいます』『恋人じゃないの?』『違います』とさくらは答えた。『で
も、父は彼と結婚したらといいと言いました』(中略)また彼からはプロポーズもされていた。もっと
も彼とは結婚するイメージは湧いていなかった」といった記述が存在する(乙2・39頁)が、一般の読
者は、かかる記述から、当時の原告は、プロポーズしてきた親しい男性はいるものの恋人はいない
独身女性であったと理解するし、原告に過去には婚姻歴があるとも想像しないといえる。
このように本件小説においては、描こうとする原告像にそぐわない情報をあえて記載しないことに
より、読者に事実と異なる印象を与える部分が少なくないといえるのであって、その意味では、本
件小説において何が記載されなかったかも、本件小説の内容の信用性判断に関連するというべきで
あるから、本件小説に記載されていない事実関係であることをもって直ちに公表の必要性がないと
いうことにはならない。
そこで、このような本件の特徴を踏まえ、以下、原告が問題とする具体的なプライバシー情報について
、当該情報を公表されない法的利益がこれを公表する理由に優越するかどうかについて検討する。